内容説明
イゾベルとニコラスは、砂浜でこわれた舟を見つけた。車輪のついた、おかしな舟だった。直して、ふたりが乗りこむと、風がふいて舟がすべりだし…大空へ!舟は、羽根を撃たれた鳥を乗せ、いじめられている女の子を乗せ、働かされて弱っている男の子を乗せ、なおも大空を行く…。この本は、世界じゅうの1800人もの子供たちの協力を得てつくられました。
著者等紹介
ブレイク,クェンティン[ブレイク,クェンティン][Blake,Quentin]
1932年、イギリスのロンドン生まれ。イラストレーター、絵本作家。16歳のとき「パンチ」誌に作品が掲載されて以来、さまざまな雑誌を舞台に活躍。また、20年以上にわたって王立美術大学で教鞭をとるかたわら、R・ホーバン、J・エイキン、M・ローザン、R・ダールなど著名な児童文学作家との共作も数多く出版している。『マグノリアおじさん』(佑学社)でケイト・グリーナウェイ賞、また2002年には国際アンデルセン賞画家賞を受賞
柳瀬尚紀[ヤナセナオキ]
1943年、北海道根室市生まれ。早稲田大学大学院博士課程修了。英文学者、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tokotoko
30
表紙を開くと、たくさんの小さなアルファベットが前にも後ろにも見開きにいーっぱい!オシャレだなぁ~って思って読み始めました。イゾベルとニコラスが砂浜を散歩していると、壊れた舟を見つけます。何と!この2人、この舟を修復するのです。そして・・・。「今年後半も元気で漕ぎ出そう・・・という気分にぴったり!」って借りた本。この舟の旅は、ただ元気なだけじゃありませんでした。もしよかったら読んでみてください。最後に作者からのメッセージと、アルファベットのわけが書いてあります。たくさんの優しい気持ちでできあがった本でした。2014/07/01
ヒラP@ehon.gohon
10
壊れた帆かけ舟を作り直して、空を飛ぶ舟が出来ました。 その舟で、イゾベルとニコラスは困っているいろんな子どもたちを助けて回ります。 様々な問題を取り上げているので、煩雑な感じもするのですが、あとがきを読んで納得しました。 この絵本には、世界中の多くの子どもたちの願いが込められているのです。 貧困、戦争、環境問題…。 世界からなくしたい諸問題がひしめいているなかで、空飛ぶ帆かけ舟は、ブレイクの祈りかも知れません。2016/06/03
魚京童!
9
自由、平等、平和、戦争、栄華、没落、感動、協働、金塊。2020/07/23
わかな
9
井の中の蛙、大海を知らず。自己満足に浸る生活をしていたりすると、もしかしたらこの手のメッセージについて考える力は得られないかもしれません・・。作者=クェンティン・ブレイクさんの苦難の道のりが見えるような作品です。こんな風に苦しんでいる人がいるということ、そして、それはなぜか?について考えること、そこから何を感じ、どうすればいいかについて想う力をつけること―そのメッセージを絵本という媒体で、人生経験の短い読者に端的に伝えることは、並大抵ではなかったハズ。脱帽です!!我が子へ機会を与えてくださり感謝します。2011/05/21
いっちゃん
7
たくさんの子供たちのアイデアを取り上げて出来た本。世界をこんな船が飛んでたら、助けてもらいたい人がたくさんいるのかも。最後は、みんなに問いかけ。みなさん自信でかんがえてねってことかな2014/06/16