内容説明
大人たちは、おばあちゃんの思い出をしんみり語りあっている。でも、サラが思い出すのは楽しかったこと。あの暑い夏の日が、よみがえる。光に舞う羽根や、ラベンダーのかおり…そして、おばあちゃんが、そこにいた。サラの目は、いつしかなみだにぬれていた。どうしたんだろう?わらいながら泣くなんて。待望の改訳新版。
著者等紹介
インピ,ローズ[インピ,ローズ][Impey,Rose]
イギリス在住の物語作家。教師として学校で物語を語ってきたことが、作家活動の基盤となっている。現在もしばしば学校や図書館を訪れ、自作の読み聞かせを行っている。幅広い年代層に支持される
コーフィールド,ロビン・ベル[コーフィールド,ロビンベル][Corfield,Robin Bell]
イギリス在住のイラストレーター。淡く優しい色使いが特徴(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遠い日
1
淡くやわらかな色と線。やさしい表情の絵。大好きだったおばあちゃんとの思い出は、サラの心の中にちゃんとあった。物置小屋の窓枠の上にあった小さな白い羽根。ふいによみがえる、あの夏の日のこと。おばあちゃんとママと三人で羽根枕を作った日。舞い上がる小さな羽根。光。枕に入れるラベンダーの香り。おだやかな印象の作品だが、サラが小さな羽根をみつけてから、たちのぼってくる想いに包まれていくシーンは胸を突かれる。もう帰れないあの日のことが、切々とこみあげてくる……喪った人への想いをみごとに表現している。2007/09/29