出版社内容情報
心やさしいおうしがすむうし小屋では、いつでも小さな者のための場所が用意されていた。つかれきった動物たちが、つぎつぎと安らぎをもとめてやってきた。ある日ふたりの男女が小屋をおとずれ、そしてその夜、ひとりの男の子がこの世に誕生した…。やさしく美しいクリスマス絵本。 幼児~
内容説明
こごえる冬の夜、ある宿屋の近くにあるウシ小屋では、いつでも小さな者のための場所が用意されていました。つかれきった動物たちが、いっぴき、またいっぴきと、安らぎを求めてやってきます。ある夜のこと、女の人を背に乗せ、男の人にひかれたロバが、やってきました。ロバはつかれはてていました。オウシはロバにいいました「おはいりなさい」と。そして、その夜、一人の男の子が、この世に誕生したのです。
著者等紹介
ワッデル,マーティン[ワッデル,マーティン][Waddell,Martin]
数多くのすぐれた子どものための本を世に送り出している作家です。スマーティーズ賞をはじめとする数々の賞を受賞
コッククロフト,ジェイソン[コッククロフト,ジェイソン][Cockcroft,Jason]
ファルマス・スクール・オブ・アートで、イラストレーションを学びました。彼の格調の高い画風は高く評価され、ファースト・ブルー・ピーター・ブック賞を受賞。現在はノース・ヨークシャー在住
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
56
ページの中から優しさが滲み出てくるような素晴らしい絵本。行き場をなくした動物たちを、あたたかく迎える牛のあたたかさが良い。最後はマリア様が来て―――。小さきものイエスの誕生を描いたわずかな28ページの絵本だけど、『罪と罰』に匹敵する重さを感じる内容だった。2013/03/15
たまきら
28
積極的に単一の宗教への教育を強制しない。日本のそういうところ嫌いではないんですが、やっぱりクリスマスはサンタさんが始めたものではないことはしっかりわかっていてもらいたい。ありがたいことに夫も同じ考えなので、クリスマスは基本的に教会に行くようにしています。墨田区の小さな、友人が牧師を務める場所で、神様や世界中の苦しむ人たちのことを考え、祈る。そしてできることを行う。こういうキリスト教の無私の教えは嫌いではありません。オタマさんがどうくみ取ってくれるのか今後わかってくるのかな。2018/12/16
けんちゃん
22
読友さんのご紹介本。こごえる冬の夜のお話でありながら、なんと温かい。小さなものの為に用意された場所では、誰もが優しく、自分よりさらに小さなものに愛を注ぐ。そんな中にイエス様がお生まれになった。イエス様は小さなものとしてこの世に生まれ、そしてご自身が小さなもののための場所になってくださった。読みながら、胸が熱くなりました。美しいイラストもすばらしいです。2013/03/21
ヒロ@いつも心に太陽を!
12
暖かさを感じる優しい絵だなぁと何気なく手にした一冊。最後にこの小屋にたどりついたのは、身重のマリア。つまり、生まれてきた小さなものとはイエスのことでしたとさ。2012/02/05
Cinejazz
10
〝凍える冬の夜、宿屋の近くの牛小屋に、疲れ切った動物たち(年老いた犬、迷い猫、小さな鼠)が、安らぎを求めてやって来た。牡牛がやさしく声をかける 「お入りなさい。ここは、小さなものに用意された場所ですから」・・・疲れた驢馬の背にマリアを乗せて、ヨセフがやって来た。「何処で子どもを産んだらいいのかしら?」マリアが呟いた。「お入りなさい。ここは、小さなものに用意された場所ですから」・・・その夜、一人の男の子が、この世に誕生した〟熱い信仰心がうかがえる、厳粛で壮麗な絵本です。2024/07/05