内容説明
本書は、高校で生物や化学を履修せずに、バイオテクノロジー概論などを学ぶ学生のために、基礎的な概念をわかりやすく解説したテキストである。バイオテクノロジーの古典である発酵技術から、21世紀の産業を支えることになる農畜産業、食品工業、環境、医療などに関わるバイオ技術まで、直感的に理解できる絵とき図を多用して説明している。部分的な詳しさよりも全体的な把握を重視しており、図表を見ながら本文を読み進めれば、将来、専門書に取り組めるだけの知識が得られるように配慮されている。長年、産業界で活躍した著者ならではの実際的な内容に富んだ入門書である。
目次
1章 微生物を利用する―醸造から発酵工業へ
2章 生物は細胞で構成されている―細胞生物学
3章 遺伝子からDNAへ―分子生物学
4章 遺伝子組換えの原理―組換えDNA技術
5章 有用物質の遺伝子組換え生産―遺伝子工学
6章 細胞融合による雑種細胞の形成―モノクローナル抗体の生産
7章 植物を対象にしたバイオテクノロジー―分化の全能性
8章 畜産、水産分野のバイオテクノロジー―発生工学
9章 バイオリアクターとバイオセンサー―固定化生体触媒
10章 21世紀に期待するバイオテクノロジー