内容説明
本書は昆虫綱全30余目の胚発生過程の全貌を、世界に誇るわが国の研究成果を中心に、比較発生学的立場から、詳しく正確に記載したものである。内容が大部なため上・下2巻に分け、上巻には分類、精子と卵の形成、胚発生の概要、および超微形態を解説した総論と、トビムシ目から鱗翅目までの12目の各論とをまとめてある。昆虫における初期発生から器官形成までの概要および各昆虫目に特徴的な細胞分化、形態形成を豊富な図解、写真、表によって詳しく解説してあるので、昆虫発生学の基礎的事項を十分に理解することができる。下巻には残りの昆虫20余目の各論と2目の補遺、胚発生の系統論、発生学略史および研究法を収載する。昆虫学や発生学の分野の研究者はもとより、系統学、分子遺伝学、行動生物学、環境科学、および農学・薬学・医学などの応用分野とも深く関わっており、これらの分野の研究者にとっても、わが国で初めての昆虫発生学の成書として貴重な資料となるであろう。
目次
第2部 昆虫発生学各論(ナナフシ目;シロアリモドキ目;ゴキブリ目;カマキリ目;シロアリ目 ほか)
第3部 胚発生と系統・昆虫発生学略史・研究法(胚発生と昆虫の系統;昆虫発生学略史;研究法)
著者等紹介
安藤裕[アンドウヒロシ]
1923年東京に生まれる。2010年死去
小林幸正[コバヤシユキマサ]
1947年東京に生まれる。2012年東京都立大学名誉教授
町田龍一郎[マチダリュウイチロウ]
1953年埼玉に生まれる。現在、筑波大学生命環境系客員研究員、日本節足動物発生学会会長、Arthropod Structure & Development編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。