内容説明
現在、世界規模で分散メモリ型並列処理(クラスタコンピューティング)が急速な広まりをみせている。1950年代に航空機の構造解析手法として生まれた有限要素法は、2000年代を迎え廉価なPCクラスタを用いた並列計算環境が構築されるようになり、新しい展開をみせている。そのため、並列有限要素法に関する関心とニーズが我が国でも高まってきている。本書は、我が国初の並列有限要素解析の入門書で、(財)高度情報科学技術研究開発機構(RIST)で開発中のGeoFEMを前提に、PCクラスタ上でMPIを用いた並列有限要素法プログラムの様々な実際的技法を解説する。1巻は、GeoFEMの設計指針や機能の概要、データ構造、並列メッシュ生成、並列ソルバ、並列可視化について詳細な説明を行なう。プログラムの並列化に興味のある読者はもとより、できるだけ少ない手間で並列環境の恩恵を享受したい読者にとって、好適な書である。
目次
第1部 GeoFEMの背景と概要(GeoFEMの設計指針とシステム概要;成果概要)
第2部 GeoFEMプラットフォーム(並列プログラミングとデータ構造の概要;大規模メッシュ生成 ほか)
第3部 GeoFEMによる大規模シミュレーション(波動伝播シミュレーション;「地球シミュレータ」における大規模熱応力解析コードの実装 ほか)
第4部 GeoFEM Version 6.0使用法(GeoFEM利用法の概要;GeoFEMのインストール ほか)
著者等紹介
奥田洋司[オクダヒロシ]
1985年東京大学工学部原子力工学科卒業。1990年同大学院博士課程修了。工学博士。東京大学講師(精密機械工学科)。1994年同大学院助教授(システム量子工学専攻)。1996~2000年横浜国立大学助教授(生産工学科)。2000年東京大学大学院(システム量子工学専攻)。2003年東京大学人工物工学研究センター助教授、現在に至る
中島研吾[ナカジマケンゴ]
1985年東京大学工学部航空学科卒業。株式会社三菱総合研究所入社。1991~93年テキサス大学オースティン校大学院(航空宇宙工学専攻)。1999年財団法人高度情報科学技術研究機構入所。2003年博士(工学)。2004年東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻特任助教授。現在に至る
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