内容説明
人間関係は人にとって不可欠なものであるにもかかわらず、大変複雑でとらえがたい側面をもっている。そのためストレスの原因になったり、対人関係のこじれから精神的障害に至ることも多い。本書はそうした精神の臨床面に焦点を当て、それとともに治療状況におけるクライエントとセラピストの人間関係をも視野に入れて考察することを意図してまとめられたものである。こうした人間関係は、ともすれば、その背後にある個人的な心理的問題や生育歴上の発達的問題に還元して語られることが多いが、本書では人間関係を必要以上に個人の心理的問題に還元するのではなく、人間関係そのものの特質を重視して問題を論じることに力点を置いている。
目次
第1章 間主観性と人間関係
第2章 イメージと人間関係
第3章 人間関係と脚本分析
第4章 人間関係と行動療法
第5章 システムズアプローチからみた人間関係
第6章 内的世界と人間関係
第7章 夢と人間関係
第8章 ロールシャッハ反応と人間関係
第9章 ナルシシズムと人間関係
第10章 非行と友人関係
第11章 女性の人間関係と心理臨床
第12章 夫婦関係と精神療法