内容説明
麻子は、前輪の泥よけに張りつけた名札を見た。ぎょっとした。相原勇二、とある。「そっくりだ」“お兄ちゃんのに”ということばを飲みこんだ。一文字型のハンドル、まっ黒いボディの自転車なんてどこにでも、ざらにある。だけど、この自転車は、なぜか麻子をひきつけてはなさなかった。大好きな兄の事故をめぐり、はげしくゆれる麻子と勇二。ミステリアスな展開で、人の存在の重さを鮮烈に描く。小学校中・高学年から。
麻子は、前輪の泥よけに張りつけた名札を見た。ぎょっとした。相原勇二、とある。「そっくりだ」“お兄ちゃんのに”ということばを飲みこんだ。一文字型のハンドル、まっ黒いボディの自転車なんてどこにでも、ざらにある。だけど、この自転車は、なぜか麻子をひきつけてはなさなかった。大好きな兄の事故をめぐり、はげしくゆれる麻子と勇二。ミステリアスな展開で、人の存在の重さを鮮烈に描く。小学校中・高学年から。