内容説明
本書は、将来の科学技術を担うべき理工系学生のための「基礎化学」の教科書である。化学を学習するうえでさまざまな物質や反応を記憶することはそれほど重要ではない。むしろその基礎となる、物質の性質や反応を支配する基本原理を理解することが重要である。この観点から、本書は「物理化学」をもとに構成した。前半は、量子論をもととした原子の構造や化学結合の様式など、物質のミクロの性質について述べ、後半では、化学熱力学を基礎に、エネルギーとのかかわりから、状態変化や化学反応をとおして物質のマクロな性質について解説する。
目次
導入編
物質の構造
原子の構造(1)水素原子
原子の構造(2)多電子原子
化学結合
分子間の相互作用
固体の構造
イオン結晶
気体の分子運動
物質の状態変化―純物質の相変化
混合物の状態変化―気液平衡・固液平衡
化学熱力学の概要
熱力学第一法則
熱力学第二法則(エントロピー、ギブズエネルギー)
化学平衡
酸と塩基、中和反応
酸化と還元
化学反応速度
現代社会と化学
著者等紹介
樋上照男[ヒノウエテルオ]
1979年京都大学大学院理学研究科博士課程単位修得退学。現在、信州大学理学部教授(理学博士)
三浦弘[ミウラヒロシ]
1975年東京工業大学大学院理工学研究科博士課程修了。現在、埼玉大学名誉教授(工学博士)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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