内容説明
本書は、量子力学を電子工学へ応用していくという観点から、いくつかの具体的な応用例の説明を行った後に、それらを量子力学の諸概念とむすびつけながら解説する入門的テキストである。まず、粒子の波動性をホログラフィ技術の紹介により、また可干渉性を超伝導と原子レーザでとりあげ説明する。そして、量子井戸構造とトンネル効果、レーザの波長の短波長化、電子のスピン等について解説する。さらに、摂動法を解説した後、レーザとその応用についてやさしく説明を加える。最後に、量子力学的な概念を現象として、またその効果を積極的に用いたデバイスについて概説する。
目次
1章 粒子の波動性
2章 コヒーレント状態
3章 量子井戸と量子閉じ込め効果
4章 トンネル効果
5章 量子的系のエネルギー構造
6章 角運動量、磁気モーメント、スピン
7章 格子振動の量子化―フォノン
8章 定常状態における摂動法
9章 時間依存性のある摂動理論
10章 さまざまな量子効果
著者等紹介
神成文彦[カンナリフミヒコ]
1980年慶応義塾大学工学部電気工学科卒業。1985年慶応義塾大学大学院工学研究科博士課程修了。現在慶応義塾大学理工学部電子工学科教授。工学博士。主要著書にレーザ応用光学(共著、共立出版)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。