内容説明
有名な『オズの魔法使い』を下敷きにして書かれた物理学ファンタジー。ふとしたはずみに素粒子の世界へ迷い込んだ少女ドロシーの冒険譚である。この世界ではわれわれの日常の経験からは想像もつかない奇妙な出来事が起こっている。それらの現象は、素粒子物理学の最新の理論に則って起こっていることが次第に理解されてくる。この世界の優しい(あるいは滑稽な、あるいは奇怪な)色とりどりの住人たちは皆、物理の法則や素粒子論に通暁していて、何も知らない少女の初歩的な疑問にも親切に答えてくれる。彼らに導かれて、元の世界へ帰るためのドロシーの冒険の旅が始まる。
目次
質量の魔女
目ききのかかし
物知りのブリキ君
自信満々のライオン
原子の菜園
世界の中心にある種
セルン王国
光の網ガ原
クォークの魔法使い
不朽の理論たちのプラザ
弱い老女
マスカーヴィル村のヒッグス
広大な実験砂漠を越えて
著者等紹介
江沢洋[エザワヒロシ]
1955年東京大学理学部物理学科卒業。1960年東京大学大学院自然科学研究科修了・理学博士、東京大学理学部助手。現在、学習院大学理学部教授
土佐幸子[トササチコ]
1980年東京都立大学理学部物理学科卒業。1985年Rochester大学大学院修了、Ph.D.。現在、米国ボストン在住
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