内容説明
2002年頃から本格的な研究が始まった「量子ウォーク」は研究対象が広範囲なものとなり、現在この大きな拡がりのなかで新しい展開をみせている。さらに、近年、巨大IT企業による量子コンピュータの急速なハード開発の進展により、量子ウォークに基づくアルゴリズムが量子コンピュータ上で動くことが現実のものとなりつつあり、新しい局面に入ってきている。このような時機を得て、本書は、多面的な量子ウォークの数理の新展開を読者がよりよく理解できるよう、従来の数学との関連を意識しつつ、代数、幾何、解析、および確率論的側面からテーマを取り上げるとともに、物理学、工学、情報科学への応用についても解説した書である。
目次
第1部 代数的側面(量子ウォークとグラフゼータ函数―「今野‐佐藤の定理」からの眺望;四元数量子ウォーク)
第2部 幾何的側面(ベキ乗公式と漸近解析;グローバーウォークの固有値とグラフのフロー)
第3部 解析的側面(量子ウォークのスペクトル・散乱理論;量子ウォークのユニタリ同値類 ほか)
第4部 確率論的側面(量子ウォークと力学系;解析的で一様なZ上量子ウォーク:定義・構造定理・極限定理 ほか)
第5部 応用的側面(量子ウォーク同位体分離;量子計算シミュレーションに向けて:光学と量子ウォーク ほか)
著者等紹介
今野紀雄[コンノノリオ]
1982年東京大学理学部数学科卒。1987年東京工業大学大学院理工学研究科博士課程単位取得満期退学。1994年東京工業大学、博士(理学)。現在、横浜国立大学大学院工学研究院教授
井手勇介[イデユウスケ]
2003年横浜国立大学工学部知能物理工学科卒。2009年横浜国立大学大学院工学府博士後期課程修了。2009年横浜国立大学、博士(工学)。現在、金沢工業大学数理工教育研究センター講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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