内容説明
第1部では、行列の幾何学的意味、具体的な数ベクトル空間および行列や行列式などを取り上げ、計算から得られる内容を中心に解説する。第2部では、抽象的になりすぎないよう配慮しながら、1次独立、基底、部分空間、行列の対角化などの重要な概念と理論的な話題や応用についても言及する。なお、改訂にあたっては、新学習指導要領のもとで高等学校で「行列」を学んでこない学生に対応できるよう構成を見直し、また、「なぜ線形代数を学ばなくてはならないのか?」を実感できるように応用的な内容を拡充し、さらに、自学自習に役立つよう演習問題の解答を充実させている。
目次
第1部(線形代数を学ぶための準備;数ベクトル空間と行列;行列の基本変形と連立1次方程式;行列式)
第2部(ベクトル空間;ベクトル空間と1次写像;ベクトル空間と内積;行列の固有値・固有ベクトルと対角化)
著者等紹介
石井伸郎[イシイノブロウ]
現在、大阪府立大学高等教育推進機構教授、京都大学理学博士
川添充[カワゾエミツル]
現在、大阪府立大学高等教育推進機構准教授、京都大学博士(理学)
高橋哲也[タカハシテツヤ]
現在、大阪府立大学高等教育推進機構教授、京都大学理学博士
山口睦[ヤマグチアツシ]
現在、大阪府立大学高等教育推進機構教授、ジョンズ・ホプキンス大学Ph.D.(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
愛楊
1
大学の科目の教科書として用いられた。本書の特徴は第3章のネットワーク解析とLU分解や第5章の部分分数展開、第7章の最小二乗法とQR分解、第8章の漸化式と連立微分方程式、ヴァンデルモンド行列式とロンスキー行列式等の線形代数の応用項目である。特に部分分数分解については、有理式の部分分数分解が基底の一次結合としての表現であることが示されており(補題 5.15)、興味深かった。正射影作用素に関する補題(補題 7.10)が最小二乗法に繋がるのは、応用指向である本教科書の醍醐味と言えるだろう。2024/01/23