出版社内容情報
大国によるグローバルな勢力争いから環境地政学の誕生まで、
最新の世界情勢を反映した事例研究を通じて現代を読み解く、新しい地政学入門。
地政学の歴史や代表的理論家から地理学の基本概念まで、幅広く基礎から網羅している。
目次
第1章 地政学を理解するための枠組み
第2章 地政的行為:地政的コードという概念
第3章 地政的行為の正当化:地政的コードの表象
第4章 地政学をナショナル・アイデンティティに埋め込む
第5章 領域的地政学:世界政治地図の揺らぐ基礎?
第6章 ネットワーク地政学:社会運動とテロリスト
第7章 グローバルな地政的構造:枠組みを形成する主体的行為
第8章 環境地政学:安全性と持続可能性
第9章 扱いにくい地政学:主体的行為と多様な構造
著者等紹介
フリント,コーリン[フリント,コーリン] [Flint,Colin]
1965年、英国ドーヴァー生まれ。ニューカッスル大学卒、コロラド大学ボールダー校大学院修了。ペンシルヴァニア州立大学、イリノイ大学を経て、現在、ユタ州立大学政治経済学部教授。専門は政治地理学、地政学、国際政治学
高木彰彦[タカギアキヒコ]
1954年岐阜県生まれ。名古屋大学文学部卒大学院修了。茨城大学を経て、九州大学人文科学研究院教授。専門は政治地理学、地理思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
20
2012年初出。政治地理学とは、世界システム論のような社会学理論と接する(007頁)。グラムシの権力観は、他人が代案を考えることなく喜んであなたの指示に従うようにする力(050頁)。サイードのオリエンタリズムは、非西洋文化を後進的な、未開であるもののように制度化されたものとして描く。知識が権力の一形態ということ(096頁)。内発的発展との関わりが興味深い論点ではないか。軍国主義とは、社会とそれがどう組織されるかに ついての特殊な理解または見解というイデオロギー(136頁)。 2014/09/17
Studies
3
アカデミックなアプローチの教科書である。最新の議論がなされているが、入門と銘打っているもののそれは異なると感じられた。2015/02/21
Rusty
1
最近ビジネス雑誌等で地政学にスポットを当てたものを見かけるが、マッキンダーやマハンによる伝統的地政学を紹介するのみで、あれが地政学だと思ってもらっては困る。正当性の争いやテロとの戦いにも言及した本書こそ、今本当に見直すべき地政学である。2016/07/12
katsu708
0
ざっくりと。地政学を語る上で大衆の存在やプロパガンダは切り離せないために、地理よりも人間性に焦点を当てたのには納得。2014/11/09
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- 和書
- 寝盗られ宗介 角川文庫