出版社内容情報
充満するガスと灯油、爆発を待つ静寂。緻密に計算された「伏線提示型」ミステリの新境地! 執拗に繰り返される不穏な予兆、その一つ一つが反転し、あなたを出口のない迷宮へと誘う。この衝撃を読み飛ばすことはできない。
【目次】
内容説明
そこになにが仕掛けられていたのか。会社社長が誘拐されたという自宅へ届いた「郵便物」と不可解な「指示書」。2億もの身代金とともに妻が向かった先に…。伏線提示型ミステリ。なぜその文章が「伏線」なのか。だがあなたはその「伏線」に騙されるかもしれない…
著者等紹介
酒本歩[サカモトアユム]
長野県生まれ。早稲田大学政経学部卒。会社員、経営コンサルタントを経て2016年、かつしか文学賞優秀賞受賞。18年、『幻の彼女』で島田荘司選 第11回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞(応募時タイトル『さよならをもう一度』)。19年、同作でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ハルめめ
15
前作と同じ「伏線提示型」ミステリでゴシック体の文章がのちに回収されていく。会社社長が誘拐され妻が2億円の身代金とともに別荘へ赴くが、そこで別荘が爆発する。伏線が散りばめられているのを整理しながら読んだが、最後まで二転暗転面白かった。最後の一行で邪気のない心の怖さを感じて少し後味が悪い。あれは本当に悪意が無かったのかとさえ感じてしまった。2026/03/07
みや
14
太字で伏線を提示する形式が完璧に機能した前作に続き、今回も緻密で波乱万丈な道程を堪能した。強調部分以外にも怪しそうな箇所が幾つもあり、常に気を張り巡らす状態が続く。私には珍しいほど「謎解き」に集中できて楽しかった。伏線を丁寧に回収する論理的推理でありながら「必要なのは証拠より動機。事件の謎を解くのではなく、人間の事情を紐解く」と語るように心の闇も容赦なく描く。絶妙な加減で真相に併存するエモさとエグさが大好き。苦手な警察小説を朗らかに読めたのは登場人物の個性が出て愛着が増したからかも。推しはワンコな本宮君。2026/03/07
ひろ
8
前作に続き、伏線がゴシック体で明示されているスタイルのミステリ。今回は誘拐事件が扱われ、視点が警察側に大きく寄ったのが意外だった。前作でも事件を捜査していた面々が再び登場し、掘り下げられたのは嬉しい。みな魅力的で、過去の関係性を語る場面や警察の内情がちらつくくだりなども面白かった。醍醐味である伏線については、しっかり認識しながら読み進めたにもかかわらず、今回も真相には辿り着けなかった。見事にだまされ、その巧さに唸らされる。ミステリの楽しさをしっかり味わえ、満足した心地で読み終えた。2026/03/11




