出版社内容情報
ナチスの宣伝担当者たちがグラフィズムと心理テクニックを駆使した大衆操作のための未発表のものを多く含む印刷物や350点以上の図像を解読し再文脈化することによって、このイメージ戦争の複雑なメカニズムを明らかにする。
内容説明
独裁者とナチスの宣伝担当者たちは、いかにして世論を操作することに成功したのか。グラフィズムと心理テクニックを駆使した総統を神話化するためのさまざまな文書や図像を解読し、再文脈化することによって、このイメージ戦争の複雑なメカニズムを明らかにする。本書がユニークな点は、連合国側におけるヒトラー像の創造についても提示していることである。イギリスやソ連、アメリカなどによる反ナチス・プロパガンダは、ヒトラーを臆病者、嘘つき、暗殺者、操り人形として描き、動物化したり、尻を蹴られる姿にしたりするなどして戯画化し、嘲笑している。雑誌、ポスター、パンフレットなどの膨大なアーカイヴや、未発表の私的コレクションを含む350点以上の貴重資料で総統の千の顔に迫る。
目次
第1部 ナチスのプロパガンダ(ヒトラーのイメージの構築;党首から国家元首へ;ヒトラーの肖像写真;「禁止事項」―禁止および検閲された画像;民衆のなかの民衆の一人;総統の私生活;『彼の闘争』;生存圏;戦争の指導者)
第2部 盟友たち(ヒトラーとムッソリーニ;ヒトラーとフランコ;ヒトラーとスターリン―恐るべき恋人たち)
第3部 他者の視線(ヒトラー、落ち着きのない男;吊るし人形(あやつり人形)
格好の標的
「ジークフリートを演じるシャルロ」
ヒトラーは嘘つき
ヒトラーは暗殺者)
第4部 ヒトラーの時代のヨーロッパ(フランス敗戦後の「ヒトラーの狂乱」;1940年、フランスのヒトラー;フランスのプロパガンダ;切手のヒトラー;総統の誕生日)
第5部 風刺画になるとき(「偉大な人物」;尻を蹴とばす;動物化されたヒトラー;ソ連から見たヒトラー;連合国から見たヒトラー;独裁者トリオ;レジスタンスと自由なフランス;臆病者のヒトラー;「ヒトラー、ヨップ・ラ・ブーム!」;「さらば、アドルフ!」;そっくりな人物?)
著者等紹介
ティエボ,エマニュエル[ティエボ,エマニュエル] [Thi´ebot,Emmanuel]
1969年生まれ。パリ政治学院卒業。30年間カーン記念博物館の歴史学者として勤務後、ファレーズの民間戦争記念館を担当。2014年にアルマン・コラン社から出版されたCroquer la France en Guerre(戦時下のフランスをスケッチする)の著者である。本書で紹介されているプロパガンダ関連の資料を長年にわたって収集している
河村真紀子[カワムラマキコ]
大阪外国語大学外国語学部フランス語科卒業。フランス語翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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みんな本や雑誌が大好き!?
Teo