出版社内容情報
ミステリの女王にとって食事は、創作においても、実生活においても大切なものだった。作中の晩餐会で、登場人物の故郷の味として、殺人の凶器として登場する料理から見えるものとは。当時の手法に沿ったレシピと解説でたどる。
内容説明
ポワロが楽しんだ当時最新の機内食は?ミス・マープルが甥に作った伝統料理は?ミステリの女王にとって食事は、創作においても、実生活においても大切なものだった。作中の晩餐会で、登場人物の故郷の味として、殺人の凶器として登場する料理から見えるものとは。当時の手法に沿ったレシピと解説でたどる。
目次
1920年代
1930年代
1940年代
1950年代
1960年代
1970年代
著者等紹介
ピアース,カレン[ピアース,カレン] [Pierce,Karen]
ミステリ小説と料理の愛好家。バウチャーコンでボランティアもつとめる。アガサ・クリスティーの大ファンで、トーキーやグリーンウェイ・ハウスも訪れている。カナダ、トロント在住
富原まさ江[トミハラマサエ]
出版翻訳者。『目覚めの季節:エイミーとイザベル』(DHC)でデビュー。小説・エッセイ・映画・音楽関連など幅広いジャンルの翻訳を手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
139
クリスティーにとって作中に出てくる料理は、登場人物をキャラ立ちさせるための重要な小道具だった。フランス人並みに食事の質にこだわるポワロや伝統の味をこよなく愛するミス・マープルもだが、何より食卓の場でこそ不吉な事件の予感に震える事件関係者の思いが響いてくるのだ。この他のミステリ作家にはない特色が英国人の琴線に触れて、長く愛され続けた秘訣かもしれない。それほど料理を大切にしていたのだから、うっかり料理をテーマにしたら食を汚しかねないと思ったか。「食べる時は頭脳は胃袋の奴隷」とは、クリスティーの人生訓なのかも。2024/10/09
たまきら
42
先日ホームズ(とその時代)のレシピ本を満喫したのですが、その時に「アガサ・クリスティーの方がもっと効果的に食べ物を使っているのになあ…」とちょっと不満を持ったんです。そうしたら何ということでしょう、読み友さんがこの本の感想を書いていらしたんです。早速取り寄せ大満足。ポワロらしい贅沢な料理もいいですが、ミス・マープルとのお茶(ミルクが先ですよ!)もいいですねえ。彼らのキャラが引き立つレシピです。誰と何を食べたいか…なんて考えていたら、巻末にまとめてあって笑ってしまいました。最高です!2024/11/20
くさてる
22
題名通り、クリスティの作品に登場する料理を紹介した一冊。ミステリ部分のネタバレはなく、作品解説もごくあっさりしたもので読みやすい。実際の料理解説は時代背景にまで言及しレシピまで掲載していて、ああ、あの作品に出たこの料理はこういう意味合いのものだったんだと気づけて面白かったです。2024/09/20
ちえり
12
【図書館本】アガサ・クリスティの作品に出てくる料理やデザートをレシピ付きで解説してくれている本。年代ごとにまとめられてて、当時の生活スタイルなんかもよくわかる。だんだんと住み込みの料理人が減り、通いになったり、忠誠心とかって過去の遺物ぽく。でもなぁ、せっかくレシピがあるんだから、写真とか、せめてイラストでも載せてくれてたら、もっとよかったんだけどな。文字だけじゃイメージできないの。悲しい😭2025/01/15
uniemo
12
小説中に出てくる料理を再現してみたくなるので本作はレシピまでついてて良かった。2024/12/11