出版社内容情報
1830年代に初の周遊列車のポスターが貼られてから、鉄道網の発達とともに列車による一般市民の大量移動時代が始まる。どんな人たちがどのように、どこへ向かっていったのかを資料をつぶさに紐解いてまとめあげた集大成。
内容説明
屋根なし貨車に押し込まれ、雨に当たればずぶ濡れのまま。それでも人々は「鉄道旅行」を手に入れたのだ。その熱狂ぶりから実情までをとことん資料にあたった労作!社会・労働から娯楽まで線路の先には新時代があった。
目次
第1章 爆発する流動性
第2章 鉄道会社
第3章 さまざまな任意団体と教会グループ
第4章 周遊旅行業者
第5章 日曜は駄目よ
第6章 周遊旅行の形成
第7章 本当はどうだったのか?
第8章 男たちは行儀が悪かった?
第9章 レジャー空間を求めて
著者等紹介
メジャー,スーザン[メジャー,スーザン] [Major,Susan]
2012年、ヨーク大学鉄道研究所で博士号を取得。国立鉄道博物館と大英図書館の資料を活用し、初期の鉄道旅行に焦点を当てた。本書はこの研究に基いている。RCHSブック・オブ・イヤーの最終候補作となる。ヨーク在住
白須清美[シラスキヨミ]
英米翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パトラッシュ
126
生れた土地からほとんど出ないで一生を終えるのが普通だった19世紀英国で、異国に等しい他の土地へ自由に行けるようになって社会に大きな変化と戸惑いをもたらした。教会や各種団体が人気獲得へ団体旅行を企画し、トーマス・クックをはじめ旅行業者が事業として成り立つようになる。安息日たる日曜のレジャー旅行は正しいかで大論争が起き、日本でも問題となっているオーバーツーリズムやインバウンド需要獲得が議論された。そんな鉄道旅行の勃興期に遭遇した人びとの思いは、現代人が気軽に宇宙旅行へ行けるようになって初めて実感できるのでは。2024/09/16
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