出版社内容情報
偉人の誕生や国家隆盛を支える「歴史」は、どのように解釈され「創作」され拡大していったのか。「物語」を求める人々の性(さが)が生み出した「歴史」の本性を、さまざまな角度から照らし直した話題作。
内容説明
宗教の祖から歴史的偉人、国家の威光をいろどる「史実」は、どのように生まれ、拡大していったのか。「物語」を求める人間の性が生み出した「歴史」の本性を見つめ直す。
目次
第1章 王と皇帝(メソポタミアの神聖な王;不滅のファラオ;ヘブライ人の王 ほか)
第2章 紀元前の帝国(シュメールの伝説の帝国;古典期以前のギリシアにおける伝説の帝国;太祖、エジプト脱出、イスラエルの史詩 ほか)
第3章 創始者(イスラエルの律法を作ったモーセ;釈迦と前世の伝説;救世主の物語)
著者等紹介
ウッド,バリー[ウッド,バリー] [Wood,Barry]
カナダ生まれ、アメリカに帰化。スタンフォード大学で英米文学、人文学、宗教学の博士号を取得。ヒューストン大学でビッグバンから現在までの宇宙の物語の歴史と人類の状況との深いかかわりに重点を置く「コズミック物語」の教鞭を執る。テキサス国際教育コンソーシアムとマレーシアのマラ工科大学でも教壇に立った。そのほかさまざまな学術誌に寄稿している。国際ビッグヒストリー学会の創設メンバーでもある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
23
時代が時代ですので、そもそも伝えられている話が事実と思う人はあまりいないとおもいますので捏造と欺瞞は言い過ぎかなと感じます。「ローマ皇帝の神格化」「日本の天皇崇拝」「伝説のローマ建国」「救世主の物語」は面白かったです。2023/08/09
佐倉
11
語られる歴史が偽物であるからといって、それが影響を持たないことを意味しない。今日において考古学的な証拠とは相容れなかったり、描かれた時点で物語だったりするものが国家や人々の支配やアイデンティティに大きく関わるケースは多くある。そうした『力の物語』と科学的な証拠を付き合わせた時、むしろ事実を上回る物語の力強さに畏怖すら感じる。上巻では先史に存在した物語の原型と、歴史時代以降に物語がいかに醸成されていくかを検証する。例えばギルガメシュ王は実在しなかったかも知れないがレバノン杉の伐採は大きな発展をもたらした。2023/04/22
subabai
0
歴史は勝者の歴史とはよく言ったもので、時の支配者はこれだけ凄かったんだぞと権威づけるために今で言う“盛った”話を書いている。そして書かれた時期は書いている内容よりも後になるため、設定をミスる、史実とズレる等が発生し、信用をなくす。 それでも当時の市民への権威付けとしては十分なものであっただろう。 世界史をあまり知らないので、事実とここが違うを列挙されるだけのように感じあまり楽しめなかった。日本の天皇に対する信仰についてと最後の福音書はある程度楽しめた。多分下は読まない。2024/01/10
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