出版社内容情報
豪奢なドレス、気品あふれる表情、誠実な言葉――出会ったら好きにならずにはいられない女詐欺師たち。何事にも動じない勇敢さで数々の障壁を突破し、ターゲットは痛みを感じる暇もなく騙されていく。華麗なる手口をご覧あれ。
内容説明
巧みな言葉と行動力で宝石、車、家、遺産を手にする女詐欺師たち。被害者はハリウッドスターやオリンピック選手から善良な市民まで…自信に満ち溢れた女たちを描くノンフィクション。
目次
上流社会に咲いたあだ花(ジャンヌ・ド=サン=レミ;キャシー・チャドウィック;ワン・ティー)
未来を見通した女(女霊媒師たち;フー・ファタム;ローズ・マークス)
作り話の名人(アナスタシアたち;ロキシー・アン・ライス;悲劇のヒロインたち;ボニー・リー・バクリー)
さすらう女(ローレッタ・J・ウィリアムズ;マーガレット・リディア・バートン;サンテ・カイムズ)
著者等紹介
テルファー,トリ[テルファー,トリ] [Telfer,Tori]
児童書の編集や教師の職を経て作家デビュー
富原まさ江[トミハラマサエ]
出版翻訳者。『目覚めの季節―エイミーとイザベル』(DHC)でデビュー。小説・エッセイ・映画・音楽関連など幅広いジャンルの翻訳を手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
37
王の逝去によりマリー・アントワネットに宝石商が話を持ち掛ける。アントワネットはあまりに高価だったので購入を拒否。ジャンヌはかねてから王妃に近づきたいと思っていたロアン枢機卿に「代わりに買ってあげませんか?」と話をもちかけ、夜陰に紛れて偽王妃との面会をセッティング。有頂天になったロアンは購入を確約しジャンヌはまんまと首飾りを手に入れると夫に渡す。贅沢な暮らしを散々批判されていたアントワネットは、この件に関しては間違いなく無罪なのに、国民感情は悉くジャンヌに同情的だたというちょっとかわいそうな話。2023/06/30
くさてる
26
「みんな彼女を好きになる」あのマリー・アントワネットの首飾り事件の首謀者ラ=モット伯爵夫人から2000年に息子と共に殺人を犯した女まで、世界の歴史のなかに生まれては消えていった女詐欺師たちを紹介した一冊。どのエピソードも面白く、登場する詐欺師たちには不思議な魅力が……と言いたいけれど、それはせいぜい第二次世界大戦前までの話で、それ以降は被害者の痛手や苦しみがリアルに感じられてそれどころではないと思った。でもだからこそ、なぜひとは彼女たちに騙されたのか、というところまで考えられるのかも。面白かったです。2023/05/14
本の蟲
19
犯罪行為には違いないが、なぜか露見した後でも「痛快」「魅力的」「大胆不敵」と賞賛されることがある詐欺師の女性。古くは18世紀から続く有名な女詐欺師の手口や生い立ち、世間の反応を並べた1冊。有名人の知り合い、富豪の隠し子、皇族の生き残り、霊感商法の走り、悲劇の生還者。彼女たちはどのようにそれを語り、なぜ人は信じたのか。金銭に承認欲求。動機は大抵低俗なのに、使い方を間違った高い知性と話術。「信じたい物語」を求める人の愚かさをこれでもかと見せつけられ、読了すると人間不信が増してしまう2023/03/15
taku
17
誰しも望む人生を送りたい。金持ちになり不自由なく暮らしたい、注目される特別な存在になりたい。大抵の人は夢見るだけなのに、犯罪行為も枷にならず欲望に忠実な人がいる。詐欺がやめられない人がいる。そんな彼女たちのことを知りたい。騙した手口はわかっても、どうして騙されたのかまではわからない。話術や相手を信用させる詐欺の資質は、被害者でなければ語れないだろう。盗みと逃亡で振り回されたり、歪んだ愛情で支配される子供が不幸だ。数年前話題になった自称38歳の日本人女詐欺師も、当事者にしかわからないことが多いのだろうね。2023/06/15
DEE
15
実在した何人もの女詐欺師たちの人生。同じ詐欺でも手口によっては賞賛されるものと、憎まれるものに分かれるのが面白い。まぁ、騙された側にとっては怒りしかないだろうけど。人間は本当のことだから信じるのではなく、信じたいものを信じるのだなと改めて思う。それを回避するのはもしかしたらかなり難しいことなのかも。とりあえずは詐欺師が近づいてこないことを祈りたい。2023/05/04
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- 和書
- 誕生日はスバラシイ!