出版社内容情報
1735年から、赤道での地球の緯度1度当たりの子午線弧を計測するために赤道へ向かったフランス科学アカデミーの遠征隊。困難をくぐりぬけ、壮大な実験を行った、世界初の国際的な科学遠征隊のおどろくべき冒険の記録。
内容説明
地球の正しい形をめぐって、フランス科学アカデミーの見解はデカルト派とニュートン派とに分かれ対立していた。1735年、その真実をときあかすために、赤道へと派遣された測量隊の脅威の冒険とその成果を克明に描き出す。
著者等紹介
クレーン,ニコラス[クレーン,ニコラス] [Crane,Nicholas]
地理学者、作家。2015年から2018年まで王立地理学会の会長を務めた。英国映画テレビ芸術アカデミー賞受賞シリーズCoast,Great British Journeys,Map Man,Britannia,Townのリードプレゼンターとしてのテレビ出演でも知られる。デイリー・テレグラフ、ガーディアン、サンデー・タイムズに寄稿。世界の七大陸すべてを旅しており、従兄弟のリチャード・クレーン博士と共に、地球上で最も外洋から遠い地点である「アクセス不能の極地」を特定し、初めて訪れた。ロンドン在住
上京恵[カミギョウメグミ]
英米文学翻訳家。2004年より書籍翻訳に携わり、小説、ノンフィクションなど訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
26
1735年から、赤道での地球の緯度1度当たりの子午線を計測するために赤道へ向かったフランス科学アカデミーの遠征隊。その驚異の冒険と成果を克明に描き出す。祖国から離れるといろいろあるよね。でもありすぎ!2022/06/09
yooou
8
☆☆☆★★ 未知の南米の地において緯度3度分を三角測量して距離を測定したフランス遠征隊の旅は火山の噴火、地震、疫病、殺人などのアクシデントに見舞われ迷走の度合いを深めていく、しっかり調べられてよく描かれているのだけど、なにせ遠征隊の迷走ぶりがひどくて歯がゆい2022/08/13
藤井宏
5
英国人地理学者の著の訳本。「地球は、南北両極に向かって縦長なのか、横長なのか?」の答えを見つけるべく、フランスの学者たちからなる測量隊が今のエクアドルに向かったのは、18世紀のこと。隊の出発の1735年から結論が得られたのは8年後の1743年。熱帯雨林から高地への大きく重たい機器を伴っての徒歩やラバでの移動、空気が希薄で冷涼な高山地帯での測量(高山病についてよくわかっていなかった)、アナログな観測機器での正確さの追求。たった1つの知見 を得るのにも知の探究には根気を要することがよくわかる良書です。2022/06/12