出版社内容情報
古代から今日に至るまで、時代・国を超えて知識と情報を獲得し、思考と記憶を深めるツールとして人々の手を伝わってきた書籍という商品について、どのように人から人へと伝わり、交換・販売されてきたのか、その歴史をたどる。
内容説明
テキスト、イメージ、アイディア、想像力…。知識や情報の集積であり、思考と記憶を深めるツールとして時代や地域を超えて伝わってきた書籍は、どのように人から人へと受け渡され、交換、販売されてきたのだろうか。ヨーロッパ、フランスを中心に、出版史の専門家が書籍販売業の長い歴史を多数の事例とともにたどる。
目次
1 古代からアンシャン・レジームの終わりまで(書籍販売業の起源;再建する世界;高揚感に包まれた世界)
2 近代の書籍販売業(激変する世界;専門書店;古書から新刊書まで)
3 今日の書籍販売業(書籍販売業の多様性;組織化の時代;きわめて多彩な世界;書店チェーンから“電柱の本屋”まで)
著者等紹介
モリエ,ジャン=イヴ[モリエ,ジャンイヴ] [Mollier,Jean‐Yves]
パリ=サクレー大学、ヴェルサイユ・サン=カンタン=アン=イヴリーヌ大学の現代史名誉教授。出版・書籍・読書の歴史の専門家で、多くの著書を数える
松永りえ[マツナガリエ]
上智大学外国語学部フランス語学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アヴォカド
10
フランスでの書店や本の流通の歴史を記しているが、本の行商の件は、ふと内田洋子『モンテレッジョ 小さな村の旅する本屋の物語』を思い出す。フランスだけでなく、ヨーロッパだけでなく、アジアなども含めて各国の歴史を時系列でまとめたら、関わりももっと見えてきそう。2022/07/10
地方書店員の髙橋
2
書籍販売業の歴史をその起源から現代に至るまで辿った一冊。 主にフランスの歴史ですが、数多くの資料と共に興味深く読めました。2022/06/27
ぞだぐぁ
1
副題あたりに「フランスにおける」と入っていた方が適切だったんじゃないかって印象。 印刷技術で本が大量に印刷できるようになる前は学生とか宗教者とかによる写本つくりが売られる所でもってあたりから、バンデシネ(漫画)の販売がアニメショップで行われていた事からUFOロボグレンダイザーとドラゴンボールの流行による漫画の定着等の話も。2022/04/18
takao
1
ふむ2022/04/12
Ryoma Okamura
0
七月王政時代に議会で激しい議論が行われた結果、一八五〇年七月には一時的ではあったが連載小説を掲載した新聞・雑誌にしっかり課税がなされたのである。提供する本の質を充実させ、カタログに載せれば「読書の先生」と褒めそやされるのに、いざ手持ちの商品を売るとなると、労働者階級の搾取者だと言われる気の毒な書籍商にとって、課税にかんする議論は、なかでも立場の最も脆弱な書籍商を大衆のスケープゴートに選んだという意味では不公平なものであった(pp.125-126)。2022/12/30