出版社内容情報
ジャム、ゼリー、マーマレード……果物の恵みを凝縮した甘いごちそう! 古代の文献に記された果物の保存法をはじめ、その歴史から国や地域による特徴、作り方、保存容器、食べ方、菓子としての楽しみ方ほかを紹介。レシピ付。
内容説明
ジャム、ゼリー、マーマレード…果物の恵みを凝縮した甘いごちそう!古代の文献に記された果物の保存法をはじめ、その歴史から国や地域による特徴、作り方、保存容器、食べ方、菓子としての楽しみ方ほかを紹介。レシピ付。
目次
伝統を保存する
ローマとペルシアの貢献
手のこんだ宴のごちそう―16世紀
食事のしめは砂糖菓子―17世紀
デザートと朝食―18世紀
自家製レシピ―19世紀
ベンチャー企業
大規模ジャム工場の時代
憤慨する労働者たち
巨大加工食品企業
後方支援―戦時中の保存食
新たな時代へ
著者等紹介
フッド,サラ・B.[フッド,サラB.] [Hood,Sarah B.]
ジャーナリスト、作家。食文化、美術、ファッション、都市生活などに造詣が深い。ジョージ・ブラウン・カレッジ(カナダ)教授。著書多数
内田智穂子[ウチダチホコ]
学習院女子短期大学英語専攻卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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くさてる
17
安定の「食」の図書館シリーズ、今回はジャム、ゼリー。マーマレードといった果実の保存食がテーマ。馴染みのある内容だけに楽しめました。保存食造りのために動員されてきた子どもや女性の歴史や、戦争中の後方支援としての役割などといった甘いだけではない内容もありますが、それでもやはり、果実の保存食はいいなあと思いました。良かったです。2022/07/06
秋良
16
野菜は酢漬けへ、果物は砂糖漬けへ。というわけで一部ピクルスの歴史と被る部分あり。トーストにはバター派なので出てくる果物の名前からして分からず、温室栽培や冷蔵技術がない時代の保存への切実さの方が頭に残った。ピーナッツバターとジャムをそれぞれのパンに塗って、挟んで食べるのが主流らしい。あまり試したいとは思えない……。産業革命後はお定まりのように大量生産と労働力搾取の時代に変わっていくけど、都市部の動きに反して地方ではいかにもキリスト教的に地域貢献型の労働が起こっていくのが面白かった。2023/11/21
kenitirokikuti
11
図書館にて。ジャムの歴史。原型は蜂蜜漬けだが、中世近世なると砂糖漬けに置き換わってゆく。現代には工場で大量生産が始まる。トーストにピーナッツバターとグレープ系ジャムを塗るというスタイルは新しいものである。都会では冷蔵庫が普及したので、常温保存という用途は減っている▲食品化学的には、煮凝りの寄せ物とは別の仕組みだが、日常的にはそんなに区別しない。2022/05/25
もけうに
5
今ドハマりしているイギリスのクッキングリアリティショー・「ブリティッシュ・ベイクオフ」において、結構ジャムが使われるので、気になっていた。イギリスの話が多い本書の内容はドンピシャ!果物は生食が多い日本・甘さが好まれつつも、豊かな土地柄故保存の必然性が低い南欧に比べ、気候が厳しい北部ヨーロッパにおいては保存食作りは切実な問題。近年は低糖・無糖ジャムが人気だが、本来のジャムの定義からするとおかしい。ジャムの科学的な仕組みがわかったのは近年だが、それより遥か昔から必要に迫られて人々は保存食作りに勤しんでいた。2022/06/14
木倉兵馬
2
はちみつ漬けの果物が砂糖漬けにかわり、贅沢品から朝食に欠かせないものへと変わっていく歴史を描いた一冊。スキルをそこまで必要としない加工品であり、衛生問題や労働問題とも大きく関わっているジャム類。本書とは直接関係しないものの、『狼と香辛料』のホロは結局桃のはちみつ漬けは食べられたのか、また実写版『アラジン』で話題に出されたジャムは砂糖漬け(いわゆるザボン漬けとか文旦漬)のようなものだったのだろうか、と他の作品にも想像が及んだ。2022/06/30
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