出版社内容情報
世界各地の自動車工場や発電所などの工業施設、鉱山跡、産業遺産を紹介。廃墟となった背景について簡潔に説明し、錆びつき荒れ果てた建築物のSF映画の一場面のような壮大かつ不気味な表情を200点あまりの写真でとらえている。そして環境問題にも影響を与えているものも多い。
内容説明
崩れ落ちそうな無人の建築物から、錆びついた金属の塊や瓦礫、巨大な採掘場跡まで、SF映画の一場面のような壮大で不気味な雰囲気をまとった遺物たち。森林破壊、水質汚染、土壌汚染など周辺環境に影響を与えている残骸や廃鉱も少なくない。近代化・現代化を支えた世界各地の鉱工業・産業の名残りを紹介する。
目次
北アメリカ
中央・南アメリカ
ヨーロッパ
アフリカ・中東
アジア・太平洋
著者等紹介
ロス,デイヴィッド[ロス,デイヴィッド] [Ross,David]
イギリスの著名な交通史家。海運と鉄道の歴史を専門として、それらのテーマで数々の本や記事を執筆している
岡本千晶[オカモトチアキ]
成蹊大学文学部英米文学科卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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姉勤
34
世界各地に点在する廃施設を訪ねたニッチな写真集。工場フェチと廃墟フェチを満たす、一粒で二度美味しい写真集。まあ、研究者が見れば、当時の技術的、歴史的、意匠の研究に寄与できる資料ともなりうる。唯でさえ重厚長大な装置が、電子化されていないローテクゆえに大型、ハンドリング可能なデザインに人間の気配をより感じ、それがエントロピーの増大という朽ちていく様を、繁盛時の頃の様を思い浮かべてヨスガを偲ぶのも、ある種の嗜み。鉄錆の滋味。2024/04/14
スリカータ
14
廃墟には、過去の栄華の置き土産のような不思議な不気味さがある。世界規模に広がると、スケールの大きいこと!これらはいつか土に還るのか。途轍もない時間がかかるだろうな…。2020/10/26
takao
3
ふむ2020/11/25
Koki Miyachi
2
工場の廃墟がつくり出す異形の風景は、いつも強烈なインスピレーションを与えてくれる。この本は世界各地の工場廃墟の写真を編集している。廃墟なのに妙に明るさを感じる写真が多い。異様な陰鬱さを漂わせている廃墟写真とは一線を画している。廃墟らしい廃墟写真が好きな自分にとっては、少々物足りない。2022/01/18
dokulogue1
1
図書館本。世界の廃墟を写真家が撮ってまとめたような本。工場の廃墟というのは寂寥感と過ぎた時間が表す美しさ、か。何となく共通するところが出てくるところや、その他様々な分析ができそうな書籍でもある。個人的にはぼんやりと見て楽しむものかと。2020/08/09