出版社内容情報
世界各地の自動車工場や発電所などの工業施設、鉱山跡、産業遺産を紹介。廃墟となった背景について簡潔に説明し、錆びつき荒れ果てた建築物のSF映画の一場面のような壮大かつ不気味な表情を200点あまりの写真でとらえている。そして環境問題にも影響を与えているものも多い。
内容説明
崩れ落ちそうな無人の建築物から、錆びついた金属の塊や瓦礫、巨大な採掘場跡まで、SF映画の一場面のような壮大で不気味な雰囲気をまとった遺物たち。森林破壊、水質汚染、土壌汚染など周辺環境に影響を与えている残骸や廃鉱も少なくない。近代化・現代化を支えた世界各地の鉱工業・産業の名残りを紹介する。
目次
北アメリカ
中央・南アメリカ
ヨーロッパ
アフリカ・中東
アジア・太平洋
著者等紹介
ロス,デイヴィッド[ロス,デイヴィッド] [Ross,David]
イギリスの著名な交通史家。海運と鉄道の歴史を専門として、それらのテーマで数々の本や記事を執筆している
岡本千晶[オカモトチアキ]
成蹊大学文学部英米文学科卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スリカータ
14
廃墟には、過去の栄華の置き土産のような不思議な不気味さがある。世界規模に広がると、スケールの大きいこと!これらはいつか土に還るのか。途轍もない時間がかかるだろうな…。2020/10/26
takao
3
ふむ2020/11/25
Koki Miyachi
2
工場の廃墟がつくり出す異形の風景は、いつも強烈なインスピレーションを与えてくれる。この本は世界各地の工場廃墟の写真を編集している。廃墟なのに妙に明るさを感じる写真が多い。異様な陰鬱さを漂わせている廃墟写真とは一線を画している。廃墟らしい廃墟写真が好きな自分にとっては、少々物足りない。2022/01/18
dokulogue1
1
図書館本。世界の廃墟を写真家が撮ってまとめたような本。工場の廃墟というのは寂寥感と過ぎた時間が表す美しさ、か。何となく共通するところが出てくるところや、その他様々な分析ができそうな書籍でもある。個人的にはぼんやりと見て楽しむものかと。2020/08/09
Sho-san
0
これらすべての廃墟が示すものは、ある明敏な歴史家の言葉を借りれば「秩序からの解放」であり、それは放棄された場所に備わる魅力の強力な要素だ。その場所はもはや機能しておらず、この世から締め出され、朽ちてそれ自体が忘却の淵と化す。このような荒廃のパターン、機能しない機器、散らかったごみや物の破片、錆びついた歯車、剥がれかけた漆喰や破れた壁はわたしたちに強く語りかける。そしてわたしたちは安全地帯の外へ少しずつ押し出され、人間が作るものはすべてこうなり得るのだと思い知らされることになる。p.1672023/02/10