内容説明
使命感と決断力で徳川幕府を倒し、明治新政府を率いた大久保利通。冷徹非情な策謀家というイメージを払拭し、新国家の建設にむかって疾走した誠実な志の政治家の姿をえがきながら、明治維新に新たな光をあてる。
目次
公武合体(朝幕藩関係の流動化;島津斉彬から久光へ ほか)
王政復古(八月十八日の政変;庶政委任体制 ほか)
明治政権の成立(東京遷都;版籍奉還をめぐって ほか)
大久保内務卿の時代(明治六年の政変;明治七年の内政と外政;大久保政権とその政治)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
にこ@歴史垢
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図書館から借りて読了。全体的に読みやすくまとめられていて、史料からの引用などもきちんと解説していたので一般の人にも分かりやすく書いてあってよかったと思う。後半はちょっと駆け足だった感じがあるが、とても良かった。大久保利通の心情を史料から、大久保の史料にない行動を筆者の推測などで交えて説明していた。2014/07/08
でん
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紀尾井坂の変もまあタイミング当然といったら当然なんだろうけど、どうにかならなかったのかな…と考えてしまう。2013/11/16
トラ吉
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今まで大久保については、郷土の英雄を裏切った陰険で冷酷な官吏というイメージがあった。しかし、本書からは大久保が新国家を建設にかけた一途な思いがよくわかった。木戸も含めてこの時代、新国家建設に携わった人々は、私利私欲ではなく、国家を思う気持ち、国家運営にあたっていたようだが、それが大きく変化するのはどこからであろうか?木戸、大久保を失ったことが、大きな要因であろうか?2010/02/14
papahaba
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改めて、幕末から明治維新・行政体制の初期確率までの流れの勉強になった。個人史というより、旧幕藩封建体制を概ね平和裏に、近代国家体制へ移行させた改革の調整は非常に困難であった事を認識できた。2023/08/09
れんと
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日本の歴史の一番の変革期である幕末から明治維新において、天皇、公家、藩主、武士、武士以外も含めと様々な立場、思いで日本のことを考えていた時代に、誰よりも日本をよくしていきたいという思いを持ち、常に長期的視点にたちつつ目の前の課題に冷静に対処していった姿は、本当に尊敬の念を強く抱くとともに、間違いなく近代の政治家でナンバーワンだと私は思っている。なぜ今の日本にはこのような政治家、リーダーがでてこなくなったのか。今の日本の政治を見たら、大久保は悲しむだろう。2023/01/28