出版社内容情報
インド神話の壮大な叙事詩『マハーバーラタ』の物語を再話し、挿絵つきの読みやすい物語に。背景となる神話やインドの文化をコラムで解説。英語圏で15万部を売り上げている、マハーバーラタ入門として最適の一冊。
内容説明
映画『バーフバリ』や人気RPGの想像力の源泉となった神々と英雄が織りなす壮大な物語世界へ。
目次
第12巻 潜伏
第13巻 集結
第14巻 神の歌
第15巻 戦争
第16巻 余波
第17巻 再建
第18巻 放棄
エピローグ 蛇供犠の結末
著者等紹介
パトナーヤク,デーヴァダッタ[パトナーヤク,デーヴァダッタ] [Pattanaik,Devdutt]
1970年生まれ。神話研究者、作家。物語、象徴、儀式が世界中の古代および現代の文化の主観的な真理(神話)をどのように構成しているかを研究。また、神話学の視点を通しての現代インド社会と文化に関する言論活動も活発に行っている
沖田瑞穂[オキタミズホ]
1977年生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科日本語日本文学専攻博士後期課程修了。博士(日本語日本文学)。現在、中央大学、日本女子大学、白百合女子大学非常勤講師。専攻はインド神話、比較神話
村上彩[ムラカミアヤ]
1960年生。上智大学外国語学部ドイツ語学科卒、同大学院国際関係論修士課程修了。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きゃれら
19
下巻は、18日間にわたる大戦争とその後日談。哲学「バガヴァッド・ギーター」やもう一つの大叙事詩「ラーマーヤナ」もさわりが読める。謎の多い国というイメージのインドの、しかも神話なのに、だんだん心に染み入ってくる。何千年も語られ続けているだけあって、実に人類の知恵の奥深さを感じさせてくれた。ダルマ、大切にしたい、と思ってしまった。来月の歌舞伎が楽しみだ。2023/10/09
moshi
17
うわああ、面白かった!深いというか、なんというか。それはもう壮大な身内喧嘩の話なんだけど、登場人物の誰も彼も、素晴らしい面があり、そしてすべからく嫌な奴らでもある。なんで素直に「この登場人物すてき♡」って思わせてくれないんだ(笑)「神話」であり、「戦記物」なんだろうけど、英雄も悪者もいない。徳を積んで、報われることもあれば、報われないこともある。思いっきりファンタジーなのに、なんでこんなにも人物や世の中のあり方がリアルなんだろう。良いも悪いも、ぐちゃまぜにしたインドの世界観。全てを統合する結末がすごく好き2019/09/28
taku
15
結局は壮大な身内の争いだが、人間はどのように生きるべきかを哲学的で教訓的に示している。そして宗教的だ。普遍的な教えもあれば、現代の道徳、価値観では腑に落ちない部分もある。正解を教わるのではなく自ら悟りなさいということかな。転生を繰り返し知恵を得ることで平安が続くのなら、我々は未だ知恵が足りない。ブラフマ-のような武器、核兵器を作る知識と技術は手に入れ物質的には発達してきたが。分かりやすい再話のおかげもあって、周囲の雑音を消して精神世界に入り込める物語だった。2022/07/21
崩紫サロメ
15
クルクシェートラの戦いが中心となり、物語が大きく動く。いろいろな意味で面白すぎてたくさんメモを取りながら読んで、ドライアイになるくらい(笑)最後にユディシュティラが行き着いた境地には、異教徒(キリスト教徒)でありながら、非常に納得と共感できるものがあり、あのサイコロ賭博から見守っててよかった、という感動が。あと、カルナとドゥルヨーダナの友情にも涙涙……。2020/01/20
翠
6
なんとなくマハーバーラタはパーンダヴァ賛美の英雄譚なのかなーといつイメージで読んでいたが予想以上にドロドロとして人間臭くて良い意味で裏切られた。 コラムを中心にカウラヴァ側もフォローしてくれていて勧善懲悪物になってなくて好みでした。2019/09/17