人が自分をだます理由―自己欺瞞の進化心理学

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人が自分をだます理由―自己欺瞞の進化心理学

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  • サイズ B6判/ページ数 428p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784562056385
  • NDC分類 140
  • Cコード C0098

出版社内容情報

人間は競争に勝つために、他人をあざむくだけでなく自分をもあざむく。しかも本人が意図しなくても、脳が勝手に理由づけをし、人を動かすのである。AIと予測市場理論の気鋭研究者が不可思議な動機の正体を科学的に解明。

内容説明

儀式みたいにムダな会議。予防するより高額医療。宗教の不可思議…etc.人間はなぜ「不効率な行動」をするのか?不効率な行動をするのは「脳のなかのゾウ=隠された動機」のせい。AIと経済学の気鋭研究者が進化心理学からときあかす「戦略的不合理」の真相。

目次

第1部 なぜ動機を隠すのか(動物の行動;競争;規範;不正;自己欺瞞 ほか)
第2部 日常生活のなかの隠れた動機(ボディ・ランゲージ;笑い;会話;消費;芸術 ほか)

著者等紹介

シムラー,ケヴィン[シムラー,ケヴィン] [Simler,Kevin]
ライター、ソフトウェアエンジニア。ニューヨーク在住。10年にわたってプログラマー、製品デザイナー、エンジニアリングディレクターを務め、現在もテクノロジー、リーダーシップ、人材採用について新興企業の顧問を続けている

ハンソン,ロビン[ハンソン,ロビン] [Hanson,Robin]
ジョージ・メイソン大学経済学准教授、オックスフォード大学人類未来研究所研究員。社会科学博士、物理学ならびに哲学修士、また人工知能とベイズ統計学のプログラマーとしての経験を持つ。経済学(特に予測市場の理論と利用)だけでなく幅広い分野で知られ、その研究は多数の学術出版物で引用されている

大槻敦子[オオツキアツコ]
慶應義塾大学卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ばたやん@かみがた

90
自己欺瞞は何故ヒトにあるのか?第1部で著者らは、その理由を進化心理学等の知見に拠りながら明快に解き明かします。それは「ヒトは伴侶・地位等を求めて争うと同時に、規範を互いに強制して競争を抑制する動物である。この2つのせめぎ合いの中で、自己の利益を最重要視しながら規範に則っていると他人を偽るために発達したのが、この自己欺瞞である」と。例えば、幼い子どもを定時に寝かせるのは「子どもの健康・しつけの為だから」と(子どもを含む)自他共に言い聞かせている親。(1/5)2020/08/14

hundredpink

37
人間は複雑怪奇2020/01/02

Yuma Usui

34
人という動物の習性や本能に迫った良書。不完全性定理を証明したゲーデルが自分の信仰と証明内容の間で苦しんだように、人によってはシンドい思いをしそうな内容。具体例が多いため理解しやすく周りや何より自分の行いを見る目が変わるかもしれない。生存・生殖欲求の達成を目的に、配偶子や同盟者の獲得を目標として社会的地位の向上を目指すスタイル。その方針に沿って消費活動や芸術や宗教、なぜ人は笑うのか、なぜ慈善行為を行うのか、などの答えが明確にされ度々笑ってしまった。何十万年も世代交代を繰り返した結果と思うと感慨深い。2020/01/16

りょうみや

29
無意識の思考・行動全般。前半部で人他人によく思われたい、それゆれ他人の前にまず無意識的に自分をだますこと。後半部でトピックごと、例えば会話、消費、芸術、教育、医療において人は他人にアピールしたいという隠れた動機が潜んでいるのかを解説している。この観点で人間社会を見るとなかなか統一的に理解できて、進化心理学の鋭さが改めて分かる。これらの分野の専門家でない二人の著者がまとめたもので適度に具体例が多くわかりやすい。2023/06/11

のんぴ

19
ある種の鳥は利他行動を行うが、それはいい鳥に見られたいからではなく、集団の役に立つことを示すことによって仲間を増やし生存が有利になり、寛大さを示すことで自分の力強さや健康をアピールしてメスに選択され生殖の機会を増やす本能的な戦略なのだ。人間は心の奥底では自己利益のためにアピールしたいとしても、意図があまりあからさまだと眉をひそめられて逆効果だし、別の動機を提示する必要がある。一番効果的なのが自分をだますことで、本当の動機に気付かずただ良いことをしたいからと思い込み、他者の賛同を得られ自己利益につながる。2019/09/07

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