出版社内容情報
「謀り屋」ホームズと「殺し屋」ワトスンが挑む仕掛けづくし多層推理の逸品!さかさまの死体、燃えながら飛翔するターゲット、そして完全雪密室……。偶然が偶然を呼び、「連続殺人事件」はことごとく不可解な殺害状況へ転がってしまう。「謀り屋」ホームズと「殺し屋」ワトスンが挑む仕掛けづくし多層推理の逸品!
霞流一[カスミリュウイチ]
著・文・その他
内容説明
私は和戸隼。殺し屋だ。今夜も完璧な準備をもってターゲットを仕留めた、はずだった。ところが偶然が偶然を呼び、おそろしく不可解な密室状況となってしまった。やむなくわれわれは、そこへ「操査」のための仕掛けを施すのだが、その後も、ことごとく事件は不可解な状況へと転がっていく…。「真相」を超える「新相」、そして「深層」へいたる多層推理の極み。
著者等紹介
霞流一[カスミリュウイチ]
1959年岡山生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。映画会社に勤務しながら、94年に『おなじ墓のムジナ』で第14回横溝正史ミステリー大賞で佳作入選、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
散文の詞
107
出だしからのシチュエーションから、推理小説というには、違和感たっぷりです。 最初の事件はまだしも、燃えながら飛んでいくとか、完全な雪密室とか。と、書くと本格みたいですが、これが、「ピタゴラ」的な装置を思い出させるような展開で、読んだだけでは分かりづらい。 映像になればかなり楽しめると思えます。ただ、そういう意味では、やっぱり推理小説とは言えないのかもしれません。 2020/08/05
aquamarine
92
本ミス3位。殺し屋和戸隼(ライター)と謀り屋白奥宝結(刑事)。彼らはターゲットを仕留め、捜査を「操査」し、真相を超える「新相」を導く(要するに冤罪作成?)のですが…。途中偶然が偶然を呼ぶ予定外の出来事は彼らを呆然とさせ、信じられない真相に最早読み手としては笑うしかありません。それでも実は細かく気を配った本格ミステリ以外の何物でもなく、冤罪も無意味でなく、最後は綺麗にまとまっているのには参りました。私は苦笑しながらもしっかり楽しみましたが、凝り過ぎやバカミスなど何でもありでなければこの本は辛いと思います。2019/02/22
koma-inu
39
「謀り屋」ホームズと「殺し屋」ワトスンが、殺人と解決をグルで行う「操査」により、悪を一掃する物語。合計4つの事件に対し、実際の真相と、偽装したシン相2つが用意される。シン相は読者からも隠され、真のロジックに目をつむり、偽のロジックを推理するのが面白い。解決編ではシン相から導かれるシン犯人も暴かれる・・やり過ぎな気もします😅ミステリは、なんとも一方向からみたロジックで真相暴いてるもんだな、と思えました。エピローグにもう一捻りあるのもナイス。2024/08/11
geshi
35
殺し屋がアクシデントによって出現してしまった不可能犯罪状況に別の解決を与える操作を行うトリックづくり・ロジックづくりの逆ミステリ。殺し屋ワトソンと「謀り屋」ホームズの無茶な設定が本格ミステリの根幹と結びつき後期クイーン問題への挑戦となっている。偶然によってもたらされた真実よりも合理的に納得できる「シン実」の方が信じられ、手掛かりの使い方次第でロジックが変容して別な人物を犯人として導いてしまう。ミステリの持つ危うさを軽妙に乗り切って多層解決を成立させてしまうバカみたいな凝り具合。2018/10/26
Syo
33
ヒェー。 お疲れ様。 って感じかな。 ワクワク感は なかったけれど。 殺人事件が起きたすぐ後に ありえないことが。 う〜む。 やっぱり…。 お疲れ様でした。 かな。2019/12/22