出版社内容情報
「動けなくなった息子の病名を調べてほしい」という依頼から始まった奇妙な連続「病死」事件。謎の言葉「ケーキインパーラー」とは何を指すのか、誰が裁かれるべきなのか、その背後にある途轍もなく大きな動機とは……。気鋭が描く社会派サスペンス。
内容説明
「息子がこんな症状になってしまった原因が知りたい」そんな風変わりな依頼から「事件」は始まった。やがて同じ症状を持つ患者が見つかる、何人も。彼らには何が共通しているのか。そして大量殺戮計画の隠された真意とは―。
著者等紹介
植田文博[ウエダフミヒロ]
1975年熊本生まれ。2013年に『経眼窩式』で第6回島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞、翌年同作刊行。『ミステリが読みたい!2015』(早川書房)で新人部門第3位入選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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rosetta
6
★★★★☆生活力のない傲慢なイケメン探偵の慶一と人当たりのいい筋肉男正臣。趣味でしか仕事を受けない慶一。謎の病気になった息子の病名を突き止めて欲しいと依頼を受ける。偽名で参加していた江戸文化サークルに接触した二人はメンバーの一人の姉が同じ症状の病に臥せていることを知るが、その病は遺伝病で人に移らないはずだと言う。注目されてないみたいだけどかなり面白い。人に命の重さに軽重は勿論ある。原宿の老朽化した高級アパートバビロニアはもっと大事な舞台になるのかと思いきや。それにしても表紙でだいぶ損をしていると思うぞ。2017/11/01
エル
3
出た!カニバリズム!クールー病!異常プリオン!! 今までいくつかクールー病とかヤコブ病が出てくる本を読んでいて、もっと読みたいと思っていた。帯に惹かれて借りた本だったが、慶一の態度が悪過ぎて読むのをやめようかなと思ったぐらい。でも止めなくて良かった! 食人という歴史。ケーキインパーラ。受け継がれる奇病。ミャンマーでの奇跡。愛する1人を救うために死の病をアウトブレイクさせる。すらすら読めましたがとても面白かったです!2018/03/12
saeko
2
二度読み。最初、うっとうしかった慶一に慣れ、ミステリー要素を楽しむ。ケーキインパーラに最後まで引き付けられた。昔からの儀式的な因習に左右される人生、しかも猟奇的なやり方で。読後、ブリュレ的なものが食べれないんですけど。作者の植田さんは、貧困ビジネスとロボトミーをうまく融合させた社会派?ミステリー「経眼窩式」でデビューしたが、それが直球ドストライクだとするなら、こっちはフォークかな。個人的にはドストライクが好みだが、最終的に着地するのは作者の調査に基づいた納得のいく着地だ。2017/11/05
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