出版社内容情報
死亡時刻、殺人現場にいた同じ病院の医師たち。病院を調査中の厚労省医療事故調査チーム。医療サスペンス+本格ミステリー鮮烈な融合
マンションの一室で男は血塗れで死んでいた。
死亡推定時刻に現場を訪れていたのはいずれも同じ病院の医師たち。
一方、厚労省の医療事故調査チームも手術ミスの報告を受けてその病院を調べていた――。
医療サスペンス+本格ミステリーが鮮やかに融合する!
内容説明
男性医師が自宅マンションで死体で発見された。発見者は婚約者とその妹。死亡推定時刻に同僚医師が被害者宅を訪れていたことがわかり、捜査は順調に進展するかと思われた。いっぽう厚労省の医療事故調査チームは手術ミスの告発を受けて、被害者のいた病院を調べていた。殺人事件と告発は関係しているのか、それとも…。通底する哀しく切実なテーマが、医療サスペンスと本格ミステリーを融合させる!
著者等紹介
吉田恭教[ヨシダヤスノリ]
佐賀県生まれ。2010年に『変若水(をちみづ)』で島田荘司選第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作を受賞、11年に同作でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さっこ
70
厚労省・向井シリーズ第4弾。大学病院の男性医師が自宅マンションで死体で発見される。厚労省の医療事故調査チームとして病院を調査していた向井と、警察の捜査と並行して進む。ALS(筋萎縮性側索硬化症)の尊厳死と死生観をテーマにした作品。2021/12/19
papako
64
厚労省向井シリーズ4冊目。今回はALSと尊厳死。医療事故調査支援センターに出向している向井くんが、同じ出向組の女子キャリアとある医師の手術での死亡件数を調べていくうちに、警察が調べる医師の殺人事件と交錯する。前半はキャラ変わった?ってくらい向井くんがチャラく、女子キャリアもお決まりのパターンで、なんかなぁ。絡んでくる謎もトリックも、ちょっとスケールダウン。ちょっと息切れ感がありました。さらっと読めちゃい、何と無く着地点も見えてしまい、警察側もあんまり活躍なく、残念です。向井くん、結婚おめでとう!2017/04/03
きさらぎ
58
医師の殺人事件に厚労省の向井が関わってくる過程が今までで一番自然だったように思う。言いたいことをずけずけと口にし傍若無人に振る舞う彼のキャラにもだいぶ慣れてきたものの、身近にこんな人がいると疲れるだろうな~。重い内容だが向井の軽さのおかげで読みやすかった。トリックが奇想天外で面白かった。2016/05/06
モルク
54
厚生省向井シリーズ4作目。ある医師による手術での死亡件数をめぐる調査をしていた向井は、医師殺人事件との繋がりを知る。それまでちゃらんぽらんだった向井ががぜん鋭くなる。今回のテーマは尊厳死。とても難しい、本人の想い、そして家族の想い…黒白つけるのが難解な問題である。今までの作品に比べトリックなどスケールが小さくなったような…でも冒頭のALSの患者の話がどう繋がっていくのかという興味をもたせるところはさすがだった。2017/08/08
ゆきちん
54
厚労省向井シリーズ④な、なんか向井のキャラが掴めない。チャラい…。医師が何者かに殺された×肝臓手術ミス多発の調査からはじまり。今回は難病ALSと尊厳死。延命措置するかどうか、と尊厳死とはまたちょっと違うけどね…今回はトリック少なめでサラッと分かりやすかった印象。向井くん、結婚したらどうなるだろね。2017/06/27