出版社内容情報
死体消失と密室の謎、くせのある登場人物たちによる手記から導き出された意外な真相。ついに処女ミステリ長編邦訳!
雪で閉ざされた山荘の連続殺人、しかも手記を残した人間が殺されていくという。
死体消失と密室の謎、くせのある登場人物たちによる手記から導き出された意外な真相。
ついに処女ミステリ長編邦訳!
P・モーラン・シリーズ未邦訳短編も収録。
内容説明
「ミステリ・ウィークエンド」と銘打たれた冬の観光ツアー。その滞在先で客が死体で発見された。そこへあらわれたあやしげな振る舞いと不可解な言動を繰り返す“自称”夫婦。事件の謎がさらに深まるなか、新たな死体が発見される…巧みなストーリーテリングで読者を翻弄させる名人ワイルドの処女ミステリ長編!P.モーラン・シリーズ未邦訳短編も収録!
著者等紹介
ワイルド,パーシヴァル[ワイルド,パーシヴァル] [Wilde,Percival]
1887年~1953年。アメリカ、ニューヨーク生まれ。名門コロンビア大学を卒業後、劇作家としてデビュー。ミステリ作品は1938年に『ミステリ・ウィークエンド』を刊行
武藤崇恵[ムトウタカエ]
英米翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
94
表題作は雪の山荘もの。死体移動もの、信頼できない語り手ものでもある。探偵役が一番怪しいというのがおかしい。「自由へ至る道」も変形倒叙もので面白かった。2017/05/04
スパシーバ@日日是決戦
94
B (2016年) 「雪に閉ざされた山荘」をミステリの世界に採り入れたのはおそらく最初といわれており、頭の??な男、凶器のコレクター、不可解な新婚夫婦などいかにも怪しい面々が参加した、目的地が明かされていないミステリ・ツアーの表題作、ボーナス・トラックとして「探偵術教えます」に未収録だった通信教育探偵P・モーランの他2編を収録。各編の評価は以下の通り。「◎ミステリ・ウィークエンド<1938年>」「〇 自由へ至る道/証人/P・モーランの観察術」。久しぶりに海外ミステリーを読んだが、古典モノも侮れん!2016/10/30
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
50
『検視審問』や『探偵術教えます』のパーシヴァル・ワイルドのミステリー。雪の山荘ものに近い設定。大雪のため車も使えず、電話線も繋がらず、陸の孤島状態になったホテルで起きる殺人事件。手記の書き手がかわるので視点がかわる。ボーナストラックの「Pモーランの観察術」では『探偵術教えます』の通信教育探偵Pモーランものの未訳が読めてうれしい。2016/04/07
Panzer Leader
47
ミステリーツアーが開催されたコネチカット州の田舎町のホテルを舞台にしたユーモアミステリー。4人の手記で事件の様相が次から次へと変化して行く様が面白い。 他に3作の短編が収録されていて、特に未読なれど「探偵術教えます」の主人公ピーターのおとぼけ探偵ぶりが最高。「さすがだな、ピーター。みごとにすべて的外れだ!」2017/08/20
本木英朗
38
『検死審問』や『悪党どものお楽しみ』などで卓越した技巧と語りの妙を見せるワイルドの処女ミステリ長編が表題作。「雪に閉ざされた山荘」「関係者の手記」など道具立てが魅力的。今の作家ならもっと複雑な話にしそうなところをスッキリ着地させているのも洒脱です。よくできた演劇を見ているような印象は、この作家ならではのものでしょう。他に『探偵術教えます』のP・モーランもの含む3つの短編がボーナストラックとして収録。特に「自由へ至る道」は気に入った。こちらは小粋な短編映画を連想させる。やはり大した作家であります。オススメ!2016/06/04