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出版社内容情報
ジョゼフィーヌ皇妃の側近だった先祖がヴェネツィアにもたらした「ローザ・モチェニガ」のルーツを探り、品種登録を目指すうち、作家は過去と現在のバラ愛好家たちの情熱と品種改良の歴史を知る。香しきバラのメモワール。
内容説明
ヴェネツィアのある田舎町だけに咲く謎の薔薇「ローザ・モチェニーガ」。この薔薇はどこからきたのか?そして本当の品種は何なのか?19世紀パリ社交界から、現代の品種改良にまでつらなる、薔薇に魅入られた人々の想いとは?
目次
第1章 アルヴィゾポリ
第2章 マルメゾン城
第3章 薔薇を植える人
第4章 コルドヴァード
第5章 エレオノーラのオールドローズ
第6章 蜜蜂と野鳥
第7章 みなしごの薔薇たち
第8章 エレオノーラとヴァレンティノ
第9章 ムッシュー・ジョワイユ
第10章 ウンブリアの中国庭園
著者等紹介
ディ・ロビラント,アンドレア[ディロビラント,アンドレア] [di Robilant,Andrea]
作家。イタリア生まれ。スイスのインターナショナル・スクール、ル・ロゼイ高等学校を卒業後、コロンビア大学で国際関係学を学ぶ。その後ワシントンDCで、イタリアの日刊誌『ラ・スタンパ』の通信員を務める。現在はローマ在住
堤けいこ[ツツミケイコ]
翻訳家・文筆家。ロンドン大学ゴールドスミス校大学院視覚芸術学部修士課程修了。1988年から2005年のあいだに3回渡英し、ロンドンで11年暮らす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りー
17
著者は、ヴェネツィアの名家モチェニーゴ家の生まれ。六世の祖アルヴィゼは、ヴェネツィアから郊外へ移り住み、健康保険や教育制度を完備した理想都市を建設した。ナポレオン征服後まで存続したこの自治都市は、アルヴィゼ亡き後、その妻ルチアに託された。ルチアは後にパリへ移り住み、皇后ジョセフィーヌと親しく交わるようになる。薔薇を愛したジョセフィーヌの目眩く植物蒐集の世界。ルチアがパリから持ち帰った薔薇のルーツは、そのまま世紀末ヨーロッパの薔薇協奏曲。薔薇の品種開発史に中国がこんなにも関わっていたのを初めて知った。2021/05/22
てくてく
8
先祖がフランスから持ち帰ったであろうバラのルーツを探す話。中国から持ち帰られたバラがヨーロッパに与えた影響、皇妃ジョゼフィーヌがバラの収集に溺れたこと、バラの手入れの難しさやチャイナローズを収集する人など、バラに関する様々な人が登場してここぞとばかりにバラの魅力を語る一冊。2020/08/15
なつやすみ
3
著者の先祖がナポレオン時代に、フランスからイタリアへ持ち帰ったチャイナローズを巡る本。薔薇に生命をかけた人、心から薔薇を愛している人などがたくさん出てくる。おもしろくって一気読みした。これを読んだら薔薇園に行きたくなった。2021/01/01
やぎとら
2
ヴェネツィアの北・アルヴィゾポリにある著者の祖先が残した公園に咲くバラの由来に迫るドキュメント。現在品種として特定されているどのバラとも似ていないそのバラ「ローザ・モチェニーガ」はいったい誰なのか? 四季咲きバラは中国産、ということを知らない自分でも、バラを植えた祖先がバラを集め始めた経緯、バラ植え付けテロの建築家、専門家も頼るバラを愛する婦人の信念などがおもしろかった。 でも、実際のバラの写真がなく、テキストを読むだけになってしまったのが残念。せめて大きな写真で「モチェニーガ」を見たかった。2015/10/15
三毛子
1
表紙の美しさに魅かれて読み始めました。 著者の祖先が残したチャイナローズであるローザ・モチェニーガの由来を知り、正式な登録に至るまでの話ということなのですが、舞台のほとんどはエレオノーラ・ガルラント夫妻のオールドローズ庭園です。 巻末にルドゥーテの「バラ図譜」からいくつか掲載されていますが、モノクロだし、当たり前だけど香りがありません。 モチェニーガについてもカバーそでの部分に小さな写真が一枚きり。 名前があがるつどカラー写真が掲載されていたらとても素敵なんですが。2015/10/10