出版社内容情報
目次から仕掛けられた大胆な罠。絶妙な伏線。そして最後に明かされる真相。80'sのほろ苦い恋愛ドラマはそこですべてがくつがえり、2度目にはまったく違った物語が見えてくる。映画化記念!書下ろしを付した特別限定版!
内容説明
大学四年の僕(たっくん)が彼女(マユ)に出会ったのは代打出場の合コンの席。やがてふたりはつき合うようになり、夏休み、クリスマス、学生時代最後の年をともに過ごした。マユのために東京の大企業を蹴って地元静岡の会社に就職したたっくん。ところがいきなり東京勤務を命じられてしまう。週末だけの長距離恋愛になってしまい、いつしかふたりに隙間が生じていって…。映画化記念書き下ろし「11年目のあとがき」を付した特別限定版!
著者等紹介
乾くるみ[イヌイクルミ]
1963年静岡生まれ。静岡大学理学部数学科を卒業後、98年に『Jの神話』で第4回メフィスト賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nakanaka
86
なんか重たい話だなぁと思いながら読み進めていましたが読了してみると「?」という感想が正直なところでした。図書館の返却が明日なので二度読みする時間も無いためネットでネタバレを読み疑問は氷解。ところどころでそんな予感はしていたものの斬新なストーリーを創り出した作者の力量に感服しました。が、読了後すぐにネタバレを観て思ったことは不快感ですかねー。私には合わなかったかなぁ。名前から女性かと思っていましたがこの作家さんは男なんですね。妙に納得。2016/03/24
starbro
84
以前から評判が高かったので、読みたかったのですが、ようやく特別限定版を読めました。70・80年代のヒット曲の章立て、80年代のバブル、携帯電話ではなく公衆電話など懐かしさも満載ですんなり読めました。但し、率直な感想としては内容よりも評判で売れた感じがします。大体において乾くるみというペンネーム自体が思いっ切り、女性を連想させます。以前「セブン」を読むまでは、絶対女性ミステリ作家だとばかり思っていました。2015/07/25
たつや
56
サイドAと、Bに分かれ、昔ヒットした曲のタイトルがっずらーっと並んでいたので面白そう!と期待しましたが、著者は自分より、年上でしたので、微妙に感情移入できないところも多く、でも、遠距離恋愛が、シンデレラエクスプレスで流行った事が懐かしく、ドラマ男女7人も作中に出てくるので、軽い小説だな!と思ってしまい。自分には合いませんでした。2016/12/11
きさらぎ
47
二つの恋愛話を微妙に重ね合わせて書かれている。side-Aでは、女の人を器用に扱える人は今までに何人の女の人を泣かせてきたかと考えると信用できない。真面目で不器用だけど絶対に嘘なんてつけない人がいいという繭子と、彼女と寝ることは彼女の一生を請け負うだけの覚悟が必要な行為だと思っている鈴木。sidae-Bでは自分の恋人はキープしておきながら他の女性からも好意を持たれるように振る舞い自分はモテるのだと優越感に浸る鈴木。人は環境や立場で愛情や考え方まで変わってしまう生き物だ。でも大概の男女は別れちゃうんだよね。2018/01/06
パスティル
33
連絡手段が直接会うもしくは電話しかない時代の恋愛を懐かしく思いだしました。'通過儀式'は人生において、必要なことだけど、終わり方がこのあとどうなったかな。その後が気になります。2015/11/11