出版社内容情報
しぼって、切って、漬けておいしく、油としても使えるレモン(および柑橘類)の歴史。
信仰、メディチ家の重要な役割、重病の特効薬……。
アラブ人が世界に伝えた果物には驚きのエピソードがいっぱい!
カラー写真多数。レシピ付。
内容説明
しぼって、切って、漬けておいしく、油としても使えるレモンの歴史。信仰や儀式との関係、メディチ家の重要な役割、重病の特効薬…アラブ人が世界に伝えた果物には驚きのエピソードがいっぱい!レシピ付。料理とワインについての良書を選定するアンドレ・シモン賞特別賞を受賞した人気シリーズ。
目次
序章 レモンの香り
第1章 起源と執着
第2章 シチリア―地中海のアラブ
第3章 異国の貴重品
第4章 レモンの栄養学
第5章 レモネード
第6章 夢のカリフォルニア
第7章 家庭で、そして世界で
著者等紹介
ゾンネマン,トビー[ゾンネマン,トビー] [Sonneman,Toby]
シカゴ出身の作家。現在はワシントン州ベリンガムのワットカム・コミュニティー・カレッジでジャーナリズムを教える一方、カリフォルニアやイタリアのレモン産地をたびたび訪れている
高尾菜つこ[タカオナツコ]
1973年生まれ。翻訳家。南山大学外国語学部英米科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
94
ひとくちにレモンといっても奥が深い。日常生活でもどこかでレモンのお世話になっているかもしれない。壊血病予防のためのレモンやオレンジ、昔の人にとっては生死を分かつ大問題だったことを知る。レモン、子供の頃はじめて本物の黄色いレモンを見て感動したしその酸っぱさにも驚いた。その酸っぱさも・・・・レモネードのことや、カリフォルニアでどのようにレモン栽培がひろまったかなどが興味深く読めた。図書館本2020/09/21
Kouro-hou
23
柑橘系の先祖はマンダリン、ザボン、シトロンのどれかで、レモンはシトロンの自然交配な子孫だとか。香り最高だが食う所が無いシトロンに比べ、子孫のレモンはむしろ捨てるところが無い。ユダヤにもアラブでも大切にされ、温室による栽培技術は早めに確立。高温にしないと糖度がでないオレンジよりは栽培は楽らしい。本来は生育に向かない北イタリアのガルダ湖畔では斜面に木を直植え、冬は家で囲って栽培し、アルプス以北やロシアに「高級食材」レモンを送ったそうな。なので当時流行りの静物画に登場するレモンは添え物ではなく主役なのです。2018/09/17
こぽぞう☆
18
図書館本。「食の図書館」シリーズ。このシリーズは、図書館で見かけて一冊ずつ借りてる。レモン。私も大好きで、確かにないと困る果物No. 1かも。水にレモン汁と氷だけ、もしくはさらに塩を少し入れたものを毎日飲んでる。ただ、ついお手軽なレモン汁を買ってしまう。この本読むと、レモンの木を育てたくなるな。できれば暖かい地方に引っ越して。2017/07/05
鯖
16
大航海時代の宿痾である壊血病の特効薬としての記述が特に面白かった。ビタミンCを体内で組成できないのは猿、モルモット、人間、コウモリだけというのが意外。レモン汁保存には樽に詰めて、オリーブオイルを大量にいれて封をしたらしいけれど、やっぱり果実のままのが効果はあった模様。2017/06/02
秋良
15
なんとなく地中海あたりが原産と思ってたレモン。実は先祖のシトロンはインド原産説が有力らしい。インドから中東、ヨーロッパ、アメリカと広がっていきどこでも愛されるレモン。その黄色くこぢんまりした見た目の後ろには奥深い歴史が隠されていた。奥深すぎて、イギリス、イタリア、アメリカにほぼページが割かれ中東なんかは触れられず。だいたい150ページに収めなきゃいけないから仕方ないか。著者はユダヤ人で儀式でシトロンを用い、レモンオタでもあるらしいので、もっと突っ込んだ一冊をいずれ書いてもらいたい。2021/05/26