出版社内容情報
エラリー・クイーンのライヴァルが贈るデッドライン&スラップスティックの傑作登場!
あと九日間で死刑となる男は冤罪かもしれない――。
ミス・ウィザーズは真犯人を捜すもののカードも出尽くしてしまう。それがどんでん返しの舞台になった。
内容説明
「エラリー・クイーンのライヴァル」が贈る円熟の代表作!どこまでも首を突っ込む元教師の女素人探偵、彼女に振りまわされるニューヨーク市警警部。最後に放つ一手が、虚構を突き崩す。
著者等紹介
パーマー,スチュアート[パーマー,スチュアート] [Palmer,Stuart]
1905~1968年、アメリカ。アメリカ黄金時代を代表するパズラー作家のひとり。ユーモアあふれる作風に謎解きを融合させ、ミス・ウィザーズ・シリーズを中心に人気を博した
三浦玲子[ミウラレイコ]
英米翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
geshi
20
インタラスティングではなくファニーの方の面白さを追求したミステリー。自分ではきちんとしているつもりでも、とんでもなく的外れな変装に代表されるはた迷惑な探偵活動。それを苦々しく思いながらも最後の最後では信じているパイパー警部とのやりとり。愛犬タリーの暴走と活躍。行動の一つ一つが頬を緩ませる中でも、タイムリミットサスペンスとしての興味を持続させている。真犯人は意外性ゼロだし墓穴掘っているだけという感じだが、死刑囚の行動との呼応は「おっ」と思わされた。2015/02/08
みみずく
19
元教師で奇抜なファッションセンスを持つ素人探偵ミス・ウィザーズが活躍するシリーズ。旧友パイパー警部と共に喧嘩しながら謎を解いていく。今回は死刑執行を9日後に控えた囚人が冤罪かもしれない…という「デッドラインもの」(というらしい)。ミス・ウィザーズが新しい犯人候補を名指ししては消えていき…結局かき回しているだけだとパイパー警部に揶揄されながらも、ミス・ウィザーズは持ち前の行動力と、元教師らしい仕切りの良さで突き進んでいく。物語自体も面白いが、やはりミス・ウィザーズが最高!2014/09/28
紅はこべ
15
スラップスティックなミステリ。魅力はミス・ウィザーズのキャラに依るところが大きい。いわゆる老嬢タイプの名探偵ってお節介が身上なんだろうな。ミス・マープルより若く、職業婦人だけあって、動きも活発。アイリスの結婚のエピソードは余計だったんじゃないかな。原題となっているグリーンエースの意味がよくわからなかった。この時代のミステリは何か安心して読めるな。2015/05/17
飛鳥栄司@がんサバイバー
12
代表作の『ペンギンは知っていた』が本格ミステリだったのに対して、本作はデッドライン物。ページが進めば進むほど、ミス・ウィザーズは切り札を奪われていって、万策尽きるまで追い詰められるので、続きどうなるのかと読者はヒヤヒヤさせられる。ミス・ウィザーズのキャラクターと破天荒な行動がユーモアを誘っていて、緊張感が薄くなりがちではあるが、事がうまく運ばないことでその緊張感を保っている。デッドライン物の特徴であるサスペンス性が失われていない。このあたりは、パーマーの上手さである。2014/08/16
うたまる
4
『ペンギンは知っていた』のラストはどうした!といいたくなるパイパー警部とのやり取りと、ラストシーンで犯人を突き放すミス・ウィザーズの一言。謎解きものとしての出来は『ペンギン』のほうが上かなあと思うけれど、ミス・ウィザーズを愛する我々にはとても楽しい作品でした。2014/10/22