出版社内容情報
幕末の日本を飛び出し、アメリカでキリスト教を学んだ新島襄と、
戊辰戦争では籠城戦を耐え抜きながらも破れ、すべてを失った山本八重。
帰国後、理想に燃える襄は京都の地で学校設立に奔走した。
その妻となった八重は、未来を向いて新たな人生を選び、洋装のモダンレディとして歩み出した。
近代の幕開けに生きた二人の生き方を軸に、
八重の兄で、同志社英学校設立や京都の近代化に力を尽くした山本覚馬や、
襄の教え子たちなど魅力的な人物にも光を当て、生き生きと描き出す。
巻末には襄・八重・覚馬の詳細な年譜を付した。
内容説明
自由と良心の教育に命を捧げた新島襄と、男まさりの「ハンサムウーマン」八重。逆境にめげず、新時代を切り開いた二人の生き様をあざやかに描き出す。詳細年譜付き。
目次
はじめに 幕末流浪者たちの維新
第1章 京で咲いた会津の華・新島八重
第2章 洋式銃砲を操った兄妹―覚馬と八重
第3章 故郷をなくした者たち
第4章 維新の先覚者・山本覚馬
第5章 密航が生んだキリスト者・新島襄
第6章 新島襄と同志社
第7章 夫婦であり、同志でもある―新島襄と八重
第8章 新島襄とその妻・八重
著者等紹介
福本武久[フクモトタケヒサ]
1942年、京都市生まれ。同志社大学法学部卒業。1978年、『電車ごっこ停戦』で第一四回太宰治賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
7
明治三大教育家=福澤諭吉、新渡戸稲造、新島襄(006頁)。偉人の細君は、ノーベル賞の山中教授と同様、夫婦二人三脚あってこそ偉業を成し遂げられるのだという事例に思える。本邦初の看護婦(士)養成学校が1887年に開設されたという(035頁)。同志社英学校は1875年開校し、一国の良心をもつ人財育成を目的にした(067頁)。良心とか良識ある人間形成とは現代にも通じる価値だと思える。1821年にできたアーモスト大学で学んだ新島先生と内村鑑三先生(131頁)。自然科学に明るかった襄氏(132頁)。彼は先生ぶらぬ人。2013/03/18
pippi
1
兄、山本覚馬、妹、山本八重、そしてのち八重の二番目の夫となる同志社大学創立者の新島襄の関係がわかりやすく読める本。全編を通してひとつの話しではなく、以前に雑誌で発表したものや講演会で語ったものの揖録。2013/07/30