出版社内容情報
本巻では、1905年から1914年までに生まれ、優れた研究・教育業績をあげた43名の地理学者を取り上げる。
彼らが、戦後の混乱のなかで、地理学・地理教育の新たな構築に力を注ぎ、その後の展開にどのように貢献したかを描く。
内容説明
本巻では、一九〇五年(日露戦争終結年)から一九一四年(第一次大戦参戦年)までに生まれた地理学者の生涯と業績を紹介。なかでも優れた研究・教育業績をあげた四三名を取り上げる。彼らは、青壮年期に一五年戦争(満州事変、日華事変、「大東亜戦争」)を経験した世代であり、その立場や研究内容などによって、戦後、公職追放・教職追放の措置を受けた人も少なくない。彼らが、戦後の混乱のなかで、地理学・地理教育の新たな構築に力を注ぎ、その後の展開にどのように貢献したかを描く。あわせて、彼らが作成し提示した地図や図像を多数紹介する。
目次
村松繁樹(1905‐1990)―地理学の啓蒙と地図の普及に努め、村落と都市の組織的で集約的な実地調査を先導する。
福井英一郎(1905‐2000)―日本の気候学をほとんど独力で育成し発展させ、優れた研究者を多数育てる。
長井政太郎(1905‐1983)―山形県の地理・地誌研究に没頭し、その交通路と集落を歴史地理的に研究する。
保柳睦美(1905‐1987)―乾燥アジアの自然地理研究、伊能図の研究、社会科地理の位置づけに成果をあげる。
飯塚浩二(1906‐1970)―社会科学的な人文地理研究を唱導するとともに、独自の比較文明論を展開する。
伊藤郷平(1906‐1984)―組織的な地誌・農業地理・都市地理研究を率先し、地域開発計画に関与する。
鹿野忠雄(1906‐1945)―昭和前期に台湾の動物地理・民族地理・自然地理を精力的に調査研究する。
山口貞雄(1906‐1992)―時代の推移に応じ、地誌、地理学史、工業の分布と立地、その変遷史を研究する。
島之夫(1907‐1988)―民家の地理学的研究を日本からアジア、ロシア、ヨーロッパへ視野を広げて行う。
岩田孝三(1907‐1994)―政治境界を歴史地理学的に研究し、近現代の政治地理事情を社会科学的に考察する。〔ほか〕
著者等紹介
岡田俊裕[オカダトシヒロ]
1948年愛媛県生まれ。高知大学名誉教授。博士(文学)(広島大学)。日本の地理学史を人物中心に研究してきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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