出版社内容情報
その日、高校のカウンセリング室に入った誰かが自殺するという。カウンセリングを受けた生徒達は「誰が死んでもおかしくない」。様々な悩みや心の傷を追う中で光明が差してきたかに思えたが……。衝撃の結末に胸をえぐられる傑作!
内容説明
「この中の誰かが自殺する」高校のカウンセリング室を訪れた生徒たち。そのなかにいるという。誰が自殺してもおかしくない傷と壊れかけた心の生徒たち。懸命に話しかけきっかけを探し求める。そして「その日」がやって来た。気づくことはできるのか―。
著者等紹介
北國浩二[キタクニコウジ]
大阪市出身。フリーライターを経て、2003年に『ルドルフ・カイヨワの憂鬱』が第5回日本SF新人賞に佳作入選。2005年に同書を刊行し、デビュー。第二長編『夏の魔法』がAmazon「Best Books of2006 エディターズ・ピック」の文芸ベストに選出される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
すい
35
文化祭を間近に控えた喧騒の中、カウンセリング室を訪れた生徒達。 その中に自殺しようとしている者がいる。 校内カウンセラーがそれが誰かを探し出して救おうとするのだが、そこの部分はあまり書き込まれていない。 なぜならこれは探偵小説ではなく、高校生の日常を描いた青春小説だから。 高校生がどんなことで悩み、深く傷付き、再生していくのか。 それを「桐島、部活やめるってよ」よりも大胆に見せてくれる。 全ての生徒が救われたかに見えた矢先に訪れるラストは衝撃的。 たった一人、死へと向かっていたんだなぁ。2014/03/11
zanta
16
9/1/6/2016 高校生の群像劇かな。こういう展開かなという点については、まぁ予測が当たったというところなのだが。それぞれの事情は何となく共感もできる。大輔の話が一番真っ当に感じた。途中まで感心していた部分もあるのだが、それが過ぎてしまうと展開のための展開という感じで少し残念。2016/01/06
なつ
14
7人に的を絞って考えていたら、まさか?!でした。ただ焦点を置いているのが「誰が死に向かっているのか、それを当てる」ではなく、青春と呼ばれる頃に、少年少女が抱える内なるコンプレックスだったり、悩みだったり、承認欲求だったりってものを読む小説なんだろうなと思った。ここまでじゃないにしろ、ほんの少し身に覚えのあるような感情。でも、なんかこう迫ってこない感じもする。2016/11/21
daubentonia
13
“この中の誰かが自殺する”その予知を本当のものにしないために、自殺に傾きそうな生徒達をカウンセリングしていく。えぇぇ!って結末ですが、この結末こそが“学校”における生徒達を把握する難しさを表しているのかなって思いました。全ての生徒をケアしきることは不可能ですよね…。先生やスクールカウンセラーは大変です。高校生達の、リアルな悩みや性への軽薄さ、誰が自殺するのかなって考えながら読むと一気に読めました☆2013/03/13
眠り猫@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
10
いまどきの高校生ってこんな感じなの? 皆自己中だし、誰かに寄り添うってことができないのね・・・ 結局スクールカウンセラー、役に立ってない感じだし こんな子ばっかりじゃないって思いたいけどなぁ2011/08/23