内容説明
食事に招かれたアプルビイ警部が、その屋敷の戸口に立ったとき、「事件」は起こった。屋敷の主人が銃撃されたという。殺されたのだとも。主人は書斎にいるところを窓の外から狙われたらしい。屋敷内の誰もが動機を抱えていそうに見え、また「犯人」が別な人間を狙っていた可能性も取り沙汰される。「わたし」はアプルビイとともに検証に乗り出すのだが…。
著者等紹介
イネス,マイケル[イネス,マイケル][Innes,Michael]
1906~1995年、イギリス。オクスフォード大学特別研究員、シェイクスピア研究で著名。またイギリスを代表するミステリ作家でもある。ペーソスとユーモア溢れる「アプルビイ警部」シリーズで人気を博す
白須清美[シラスキヨミ]
英米翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
25
アプルビィ初読み。若いのに随分落ち着いた警部なんですね。2018/01/31
紅はこべ
11
多重解決刑が。色々挙げられた犯行の動機や手法の中には独創的なものもあって、それで新たに一編書けるのに勿体ないと感じた。本作でのアプルビイは語り手から若者と呼ばれているが、若い頃のアプルビイは人が悪くて、少々悪趣味のようだ。イネスにしては文学的引用やうんちくが少ない。2009/03/04
アルパカ
4
何と言うかもって回ったような文章で、とっつきにくく挫折しそうになりました。それぞれ皆が推理合戦をするのですが、中には引き込まれるような面白いものもあり、それに比べると真相はちょっと意外でいまいちカタルシスがありませんでした。2016/12/13
bitotakeshi
4
作者が大学でシェイクスピアの研究をしていたというバリバリの文学畑の出で、文学とミステリの融合をひとつのテーマとしているらしいが、私のような愚かな読者にとっては非常に難解な文章で読み取るのに苦心した。その反面、事件自体はとてもシンプル。果たして銃を撃ったのは誰なのか? 撃たれるべきは誰だったのか? この二つの謎について登場人物がそれぞれ推理をしていく所謂多重解決モノの形式を取っているが、最終的にひとつの真実が提示される。個人的にあれだけ引っ張っておいてこれはちょっと…と首を傾げたくなる出来だった。2016/10/07
J・P・フリーマン
2
登場人物が親族ばかりで今ひとつ把握できなかった。最初に人物一覧があればよかったのに。そこが残念ですね。話はというと、親族の一人が銃で撃たれます。命は取り留めたものの、残された者が疑心暗鬼になり、しまいには警察そっちのけで自説を披露しまくりです。真相は意外なものでした。2013/09/10