内容説明
幽霊や心霊現象に、人々が大いなる関心を寄せた十九世紀末。ホームズは「幽霊まで相手にしちゃいられない」と語ったが…封印されていた事件が、いま白日のもとにさらされる。待望のホームズ・パスティーシュ傑作選。
著者等紹介
日暮雅通[ヒグラシマサミチ]
1954年生まれ。翻訳家。青山学院大学卒。英米文学、ディジタル・カルチャーなどの分野で活躍。日本推理作家協会、日本シャーロック・ホームズ・クラブ会員。ベイカー・ストリート・イレギュラーズ(BSI)会員でもある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
5〇5
7
科学的思考の持ち主であるシャーロック・ホームズ ♦そんな彼が超自然現象と対峙するパスティーシュ作品集である ♣不可思議な事件の数々に対し、ホームズは一貫して合理的な視点から解決を試みる ♥だが、時に論理では説明しきれない謎が残る ♠心霊現象を信じていたコナン・ドイルが、ホームズを合理主義者として確立したことで、知的な興奮とともに、神秘的な余韻も味わえる。2025/02/08
りほ
6
ホームズのパスティーシュと聞けば読まずにいられない私。全てオカルト現象がテーマってことでちょっと飽きますが、割と面白かったです。いろいろありますが、超常現象を科学的に解決するストーリーの方がホームズらしくて好き。このシリーズはこれで全部読了。2014/01/28
teddy11015544
5
パスティーシュまで相手にしてはいられない、と思ったのだがたいへん面白かった。ホームズとワトソンが活躍していればそれでいいのだ。2025/04/24
Jun Shino
5
シャーロッキアンの作家たちがテーマに沿った短編を書き下ろした作品集。この巻は幽霊という、合理主義者ホームズと相容れないものがテーマ。さて、どうなるか。 このハードカバーシリーズは1996年から5作品、発行された。超常現象と見えるものをホームズが現実的に解決していくのが主だが、そうでないのもある。「バスカヴィル家の犬」に出演する脱獄囚セルデンの独白ものもあり興味深い。 近年のサイキック探偵ものの流れを分析するエッセイなども収録。なるほど超常現象にホームズの合理的な思考は対比として面白いと思った。2018/11/01
J・P・フリーマン
3
最初の「悪魔とシャーロック・ホームズ」を読んでホームズVS超常現象ものの短編集か? と思ったけど幽霊の正体が人間だったり、全部無事に解決したと思わせてほのかに霊的なエッセンスを漂わせるなど意外とバラエティに富んでいました。2015/11/12