内容説明
天才的な軍事指導力で、変動期の世界史の流れを決定づけた、ナポレオンの戦った戦闘の総てを時系列に網羅し、戦闘地図とともに詳述した決定版。
目次
時代の軍事的背景
フランス革命戦争から欧州の戦争へ
第2次欧州同盟の対フランス戦争(1798~1802)
英国対フランス戦争(1803~1805)
第3時欧州同盟の対フランス戦争(1805)
フランス対英・プロイセン戦争(1806)
ポーランド会戦(1807)
イベリア半島の戦争(スペインの併合)(1807~1809)
フランス対オーストリア戦争(1809)
フランス対ロシア戦争(1812)
新対フランス同盟の戦争(1813)
フランスの防衛(1814)
ワーテルロー会戦(1815)
著者等紹介
松村劭[マツムラツトム]
1934年生まれ。防衛大学校卒業後、陸上幕僚幹部情報幕僚、作戦幕僚、陸上自衛隊西部方面総監部防衛部長など歴任。1985年退職。現在、デュピュイ戦略研究所東アジア代表。情報分析・戦略・戦術などを専門領域に幅広く活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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読書ニスタ
34
ナポレオンの名を知らぬ者はいなくても、どんな戦いをしたのかは、なかなか知ることの少ないと思い手に取った。軍事の天才として兵数半分の戦場で勝ち抜いた手腕、あっという間に皇帝に成り上がった出世の物語、愛人たちとの恋話など、話題に事欠かない。坂道を転がり落ちる顛末も、しかり。科学を支援し、ナポレオン法典まで作ったりと、万能っぷりはすごい。アウステルリッツの三帝会戦は、アレキサンダーやハンニバルに比較されるほどの代表的な戦いとあるが、本書ではあっさり。全般に絵も、状況も分かりづらい。塩野先生には遠く及ばない。2020/02/11
あなほりふくろう
21
ナポレオン戦争を題材にした戦術論の初級テキスト、とでもいえばいいのか。あくまで戦史限定でこれだけだとナポレオンを知るには不十分ではあるのだけど、これを手元に置いて叩き台のひとつにして、自分なりの肉付けをしていくには適当だと思う。2014/11/01
鐵太郎
6
フランス皇帝にまで上りつめたナポレオン・ボナパルトの生涯を、その行った戦争によって描き出した本。そしてその言葉。「志を大にして、細心なれ」「世の中を支配する力は、精神力と剣の力である。その剣の力は、精神力、すなわち思想の力には及ばない」「スペインに展開するフランス軍は郵便局員に指揮させなければならない」「最良の兵隊とは戦う兵隊よりもむしろ歩く兵隊である」「雌鳥が時を告ぐるは不吉の兆」 ──歴史とは、人々の中で作られるだけではない。キーとなる人の手腕によって作られるときもあるのです。2006/05/17
flat
3
戦争の全史というタイトルを冠した割に時系列や戦力と軍の移行が不明瞭過ぎる。配置図に誰が配置されているのかも記されていないのは如何なものか?編集が目を通さずにそのまま通した本なんだろうなぁという印象。少なくとも戦史としての価値は見出せない。2019/04/10
スカイバニラ
3
長谷川哲也の「ナポレオン獅子の時代」が非常に面白いのでこの本も読んでみました。ナポレオンが関わった戦闘を時系列に紹介しています。各戦闘に関する地図もついているのですが、少々わかりずらい箇所もありました。しかし、このようなナポレオンの全戦闘を扱った類書を他に読んだ事がなかったので、興味深く読めました。2009/06/19