ミステリー・リーグ
誰のための綾織

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  • サイズ B6判/ページ数 387p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784562038893
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

あの日、あの新潟の大地震の夜、私たちは拉致され、ある小さな島に監禁された。誘拐者たちは「おまえたちに、あの罪を認めさせるため」に連れてきたのだという。復讐だった。今にも私たちを殺してしまいそうな怒りだった。その夜、ひとりが木の枝で刺されて死んだ。しかし、私たちの誰も気づかずに、彼女を殺せたはずがないのだ。犯人はどうやって「そこ」に入ったのか。そして次のひとりが死んだ…。誰が生き残ったのか、そして誰が殺したのか。作中作に秘められた「愛」がすべての鍵。

著者等紹介

飛鳥部勝則[アスカベカツノリ]
1964年新潟県生まれ。新潟大学教育学部卒、同大学院教育学研究科修了。洋画家としても活躍しながら、98年に『殉教カテリナ車輪』で第9回鮎川哲也賞を受賞。本格ミステリーから幻想ホラーまで幅広い作風を見せる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

256
飛鳥部氏の黒歴史的作品。作中作の冒頭が違和感ありすぎで、読みづらくすらあるが、エピローグの仕掛けは素直に楽しめた。三原順さんのファンの方の顰蹙を買うのを承知で敢えて言うが"台詞の盗用/類似だけで葬るには余りにも惜しい"一冊。『はみだしっ子』のファンの方にとっては大切な言葉の数々でも、知らない人から見れば「そこ、書き直しちゃえば?」と言ってあげたくなるほど、作品への貢献度は低い。三原ファンの方々が飛鳥部氏の文章を鬼の首をとったようにこき下ろしたり人格否定しているのを見ると、違和感を感じる私はひねくれ者か。2016/10/24

nobby

111
記念すべき長編10作目は渾身の驚愕の一冊。それだけに絶版事情は痛恨の極み…それも本編とあまり関わりないだけに勿体ない…作中作な女子高生による小説『蛭女』の序盤は、何やら中二病で百合な描写ダラダラに苦戦…孤島に誘拐されてからのエログロ展開にようやく引き込まれた。地震を背景にしたフェイクに思わず感嘆したことは置いといて(笑)真相明らかになり始めて、いつも通り丁寧な伏線回収だけど案外直球な読了と思ったらエピローグで正攻法なドカンが来た!まさに『誰のための綾織』素晴らしい!2017/02/21

sk4

79
図書館本を手にできただけでもラッキー?この本は、作者亡き漫画作品の表現を多数盗作してるという疑惑からの回収・絶版により、古本市場では九千円以上もするらしい。 内容は事件の中心人物の一人である少女が手記的に書いた小説に関するミステリー。それゆえ多分に素人っぽいメタ的な表現が面白いのだが、題名を忘れずに読み始めなければ少々手練れのミステリ読みであっても足場を失うだろう。終盤の【犀男】の日本間密室の謎解きには明らかな齟齬があり、彼の発言の意図とそれで納得する少女が私には意味不明だった。誰か(>人<;)オネガイ2013/11/04

しのぶ

63
盗作疑惑を知り興味本位で拝読。孤島での殺人や密室殺人等いかにもミステリらしい。ただ三識の所へ呼びに行く時に彼女達が犯人を完全スルーする行動などトリックとしては少々不自然さがある。蛭の描写も気持ち悪くラストで犯人が明確になる辺りは成程楽しめた。盗作疑惑を問題にしなければ面白く読める。盗作疑惑に関しては以下コメント欄で。2018/09/17

藤月はな(灯れ松明の火)

49
「反則か否か」という問題ですがこのようなものは変化球も含めて何回もお目見えしているのでミステリを読んで年数を踏んでいる人ならばフェアかと思います。図書館で借りたところ、帯付だったので帯もフェア。個人的には蛭女というよりも百舌鳥の早贄じゃないかと気にかかり、小賢しい論理だけの空っぽな自己憐憫だけの少女達や気味の悪い監禁者や外道百合教師に対し、犀男ことあの人の真っ直ぐな性格が唯一の心のオアシスでした^^後、飛鳥部氏の作品はこの本が初めてだったので絵は洋画家でもある作者さんが描いていたのに一番、驚きました。2013/03/30

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