内容説明
陸軍大学校教官の特権を利用し、現在では焼失した機密史料をも多く引用し、きれいごとでない日露戦史をえがき尽くし、日本国民の日露戦争観を一変させた日露戦争研究書。現役高級軍人なればこそできた仕事といえるし、敗戦まで極秘扱いの文書とされていたことも無理からぬ著書であり、日露戦争を知るための必読文献である。
目次
日露開戦の経緯
陸海軍の開戦準備
大本営の設置とその編制
満洲軍総司令部出征までの大本営業務とその作戦指導
満洲軍総司令部実現経緯と編制内容論
旅順要塞攻城作戦指導の経緯
全戦役間大諜報網の構成と実際
樺太出征難と陸海軍争議の経緯
後方勤務の梗概とその経緯
戦役間に於ける軍政当局重要業務実施経緯〔ほか〕
著者等紹介
谷寿夫[タニトシオ]
岡山県出身、陸士第十五期生(明治30年卒)である。軍人としても多彩な経歴をもっている。即ち立派な武将として上下の敬愛をあつめ、日露戦役以来の戦功も出色であった。しかしてまた在外武官とし、あるいは軍縮会議全権委員随員として、日本外交の一面にもタッチした。さればこそ退職直後の昭和14年秋、外務省が企画実行した米国人日系二世の教育にあたって、特に国際情勢の講座担任を委嘱されたのであろう。そしてなお陸大兵学教官を再度にわたってつとめた
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