内容説明
薄汚れたフォードに乗って拉致監禁殺人を繰り返す―動機もなく畏れもない、全米を震撼させたひとりの少女。やがて法廷で明かされる“真実”に陪審員たちは…。あの『緋色の記憶』へと連なる傑作ノンフィクション小説がついに登場。
著者等紹介
クック,トマス・H.[クック,トマスH.][Cook,Thomas H.]
1947年、米国アラバマ州フォートペイン生まれ。ジョージア州立大学で英語学と哲学、ハンター大学、ニューヨーク市立大学、コロンビア大学でアメリカ史を専攻。卒業後は大学講師のかたわら、寄稿編集者や書評担当者に、80年に長篇第一作『鹿の死んだ夜』でデビュー、96年に『緋色の記憶』でMWA最優秀長篇賞受賞
佐藤和彦[サトウカズヒコ]
1950年、東京生まれ。東北大学文学部卒業
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
177
クックが描く犯罪ノンフィクション。 題材は史上最年少の女性死刑囚。 誰が殺したかよりも、なぜ 殺したのか?の作風に向いた 題材なのかもしれない。 主犯のジュディス・ニーリーの 心の闇が不気味で…だが、 その心の闇を膨らませることなく、 ただ淡々と事実を描いていく… クックの意志なのかもしれないが、 物語として読むには、正直 物足りない気がした。だが、 この経験値が後の「記憶」シリーズで 生きたのかもしれない。作風の 転換となるノンフィクションだ そうである。 2014/08/30
海野藻屑
2
子供って死に愛着を感じるじゃないかな。人は生まれるまでは死んでいるようなものなのだから。2017/11/16
聖月
2
▲今から20年前の犯罪を、1990年に書いた作品で、そうなると米国人以外にはちょっと説明不足で終わってしまう内容と言えよう。想像してみたまえ。例の和歌山カレー事件。この事件の記録を誰かが10年後に書いて、それが20年後に翻訳されてみたまえ。読んだ米国人はチンプンカンプン。事件のあらましはわかっても、それで?どうしたの?だから何?ってな感じかな。今の評者がそうである。クックが例の史上最年少の女性死刑囚の犯罪について書いた本なのだが、例のといわれてみても、それに思い当たらない評者にとっては、どうも説明不足の小2003/12/30
Tsutomu Yamamura
1
この作家の作品を2つ読んだことがあるはずで、重厚な物語と意外な結末が特徴的だったと記憶しています。これはノンフィクションでした。途中まで、というか、かなり最後の方までそのことには気が付きませんでした。どんな方向に進むのか、展開が読めなかった、つかめなかったのはノンフィクションだったからですね。2016/10/17
ブル-ス
0
ノンフィクションだった。小説にしてちょうだい。2015/07/10