内容説明
ムガール帝国の重臣が衆人環視のなかで殺された。誰も逃げ出せないはずのエリアにいたのは王位継承者の王子。次代の王が殺人容疑者となる異常事態のなか、宮廷に出入りしていたひとりのスーフィーが異議を唱える。彼の示した“道”をたどり、不可能状況に光りがさし、王子の容疑は晴れたのだが、皮肉にもそのために帝国は闇へ向かってゆく…。本格ミステリーとムガール帝国の王位継承にまつわる史実を融和させた書き下ろし長編。
著者等紹介
小森健太朗[コモリケンタロウ]
1965年生まれ。東京大学文学部哲学科を卒業、同大学院教育学研究科博士課程満期退学。82年に16歳で江戸川乱歩賞の最終候補に残る。94年『コミケ殺人事件』でデビュー。またコリン・ウィルソン『スパイダー・ワールド』などの翻訳を手がけたり、探偵小説研究会に所属して評論活動をおこなうなど、幅広い活躍で注目される
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