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出版社内容情報
古代からJ・Pゴルチエの現代まで、<乳房とコルセット、ブラジャー>を軸に、<欲望と身体の歴史>を読み解く。
内容説明
豊かな胸は、くびれたウエストは、何のためなのか?下着は時代の刻印だった。女を彩り、形作る下着が映し出す、欲望と身体の歴史。
目次
古代のブラジャー
小ぶりで柔らかい中世の乳房
突然あらわになるアニェス・ソレルの乳房
堅苦しさから美徳へ
革命の自由な乳房
コルセットの勝利
第三共和国の下着
世紀末の最盛期
コルセットとの戦い
最先端の技術
砲弾型の乳房
マドモワゼルの下着はお子様向け
大きなカップのビックバン
著者等紹介
フォンタネル,ベアトリス[Fontanel,Beatrice]
1957年生まれ。現代文学の修士号を取得したのちジャーナリストとなる。著書に『赤ちゃんの叙事詩』ほか
吉田春美[ヨシダハルミ]
上智大学文学部史学科卒業。フランス文学翻訳家。訳書に『ルイ十六世幽囚記』(福武書店)、『娼館の黄金時代』(河出書房新社)、『貞操帯の文化史』(青弓社)、『図説夜の中世史』、共訳書に『図説死刑全書』『図説動物兵士全書』『図説排泄全書』『図説奇形全書』『fの性愛学』(以上原書房)などがある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
katoyann
23
コルセットの歴史からブラジャーの誕生までの経緯を追求した服飾史の研究書。コルセットの歴史はルイ14世治世の時代まで遡る。16世紀から19世紀末にかけてコルセットは支配階級の威光を示す装身具だった。コルセットを身につける女性は、胃が圧迫されるために食事の後に卒倒するという。当時はその気絶する姿に男性が「か弱さ」を見て、そこに魅力を感じていたらしい。つまり、女性は男性に庇護される存在であるということを示すアイテムでもあった。いまのダイエットブームは明らかにコルセット文化の名残であるとする。図解が嬉しい。2022/11/07
くさてる
13
女性の体を包んできた様々な衣装のなかでも、直接に肌に触れる下着。その歴史を追った内容。図版も多く収録されているので、分かりやすかったです。胸は小さいのが好ましかったり大きいのが良しとされたり、ウェストは虐待に近いまでに締めつけるものであったりと、下着の歴史は女性の生まれ持った肉体の否定の歴史と言ってもいいような感を受けましたが、現代はそれでもこういう流れが変わってきているのかとも思います。同じコルセットを装着するにしても、自分で選んで身につけるなら、それは素敵なことだと思います。2015/05/11
猫
10
図書館本。西洋における下着の歴史を、紀元前二千年から現代まで追いかけた本。ほぼ腰から上の下着の話だった。サイズや胸の位置や形など美しいとされる要素が、時代背景によって変わったり戻ったりを繰り返して行く中で、技術がどんどん進化していくのが面白い。いつの時代も美しさを求める女性の強さよ…。2017/12/29
さとちゃん
5
ドレスの下で身につける下着、特にコルセットからブラジャーに至るまでを追った服飾史。帯にある「豊かな胸は、くびれたウエストは何のためなのか?」を念頭に置きつつ読了。端的に言うと自分をより高く売り込むための手段として、より魅力的に見せるため(時代によって基準は異なる)の装置が体型を補正する下着類なのですが、コルセットをまとうことが上流階級に属することの証、との視点は本書で気づかされました。原書は1992年著、本書の出版は2001年とあり、現代に関する考察がすでに若干古くなっているのが、惜しいところ。2023/04/07
nari
2
欧米における下着の歴史。コルセットについての言及多し。2010/08/02