内容説明
それは人を狂わせ、死をもたらす悪徳だった。聖書では大罪。近代医学では病気。マスターベーションはなぜ忌み嫌われたのか。歪められたセクシャリティの社会史。
目次
第1章 多くの若者達を殺す恥ずべき悪癖
第2章 恐怖がまだ存在していなかった頃
第3章 オナニア
第4章 オナニアの影響
第5章 ティソ
第6章 ティソの大勝利
第7章 西洋世界の強迫観念
第8章 信頼がはじめてぐらついたとき
第9章 持ちこたえる伝統
第10章 混乱の中の退却
著者等紹介
スタンジェ,ジャン[Stengers,Jean]
ブリュッセル大学で現代史の教鞭をとる。ベルギー王立アカデミー会員。著書に『Vertige de l’historien』などがある
ファン・ネック,アンヌ[Van Neck,Anne]
本書をスタンジェとともに準備していたが、1982年に没。大学歴史研究所主任研究員だった。専門は中世史
稲松三千野[イナマツミチノ]
1971年生まれ。富山県出身。上智大学外国語学部卒業。翻訳家。主な訳書に『バカなヤツらは皆殺し』『不器用な愛』『そしてぼくはママの愛人になった』(原書房)がある
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感想・レビュー
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袖崎いたる
1
18世紀、1715年のあたり、イギリスで『オナニア』っつー、オナニーは害悪だと説くふざけた主張をクソ真面目に書いた本が出版された。当時こそハイハイ金儲けお疲れ様です〜って受け止めかたをされてたみたいだけど、その影響たるや凄まじいもので、西欧人の罪悪感の根拠として深く植わり憑いてしまったみたい。海を渡ってフランスのルソーのもとに行くのはまぁわかるが、カントにまで教育に関して語る上で言及せにゃあかんトピックになっちまったってのが笑えるね。誤解が解けるのは20世紀になってのことだが、よくもペテンにかけてくれたわ2025/06/02
ペーパークリップ
0
留保の付け方に好感が持てる。2012/07/10