内容説明
すべての伝説は彼が見た夢かもしれない―アーサー王伝説に登場する謎の魔術師マーリンが岩の下に封じ込められ、深い眠りの中で見る夢の物語。アラン・リーの美しい挿絵と織りなすケルト幻想物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Die-Go
36
図書館本。アーサー王に仕えた魔術師マーリンの見た夢を物語にしたもの?ケルトのお話が描かれている。どの話も興味がそそられるもので、面白かった。そしてなんと言っても挿し絵が、『指輪物語』の挿し絵画家アラン・リー!美しい挿画の数々にため息が出る。★★★★☆2017/12/06
em
15
「この男の人生の大部分が、夢だった。この男の記憶の大部分が、自分自身で想像したものであった」アーサー王を読んでいた時に教えて頂いた本。岩の下に閉じ込められたマーリンが見る夢の物語。この着想に惹かれます。先を見通す力を持っていた彼にとって全ての時は同等で、それらが長い眠りの中で醸成され、幻想の世界を紡いでいく。マーリンの魂はあのあと、夢と現の間を永遠に彷徨っていたのだろうか。ひょっとしたらアーサー王の物語そのものも、マーリンの記憶、夢想だったのかも。2017/12/01
マッピー
12
そもそもアーサー王物語って、勧善懲悪「ああ、すっきり」って話ではない。立役者マーリンは大魔術師なのに、小娘に骨抜きにされて殺されてしまうということになっている。未来を予見できるはずのマーリンがなぜ?この本ではマーリンは死んでいない。ただ、長い長いまどろみの中で時折夢を見たり目ざめたり。多分マーリンは、そのなすべきことをすべてしてしまったのだろう。しかし未来を知るマーリンは自ら死ぬことも、殺されることも出来ない。だから生と死のあわいで、長い長いまどろみを生きるしかなかったのかも、と思った。2020/12/23
堆朱椿
6
マーリン(とおぼしき魔法使)が見る夢。眠っているマーリンの様子と、彼の夢の中の物語(ファンタジー短編)が交互に語られる。アーサー王のマーリン本人というよりも、マーリンのモデルになった魔法使いというイメージかも。タイトルの「アーサー王伝説」は紛らわしいです。反則なほど美麗なアラン・リーの挿絵付き。表紙はちょっと派手すぎるが、中はとても綺麗な本。幻想的で心地よいマーリンの描写と、最後の物語が私は好き。2015/01/15
mercury
2
岩の下に埋められた魔術師マーリンが見た夢とそれに続くマーリンのうつつ。岩の下で長い長い時を過ごしているらしい。日本で言えば聖徳太子くらいの頃か。今も埋まっているのかなぁ、あまりにも世の中が変わりすぎてどんな夢を見てるんだろうなどと思ってしまった。物語は奇妙でもの悲しい。アーサー王伝説を読んだときの納得いかない感がここにもある。分野は違うが同じ作家のキングとジョーカーでも同じ感じだった。2016/08/12
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