内容説明
グリム童話を現代ミステリー作家たちがおもしろおいしく料理する。現代の「ヘンゼルとグレーテル」が迷い込んだ“おかしの家”の驚くべき真相、逃走中の強盗犯となった「赤ずきん」、結婚一周年を迎えた「シンデレラ」にのびる魔手…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アカツキ
9
童話をモチーフにしたミステリ短編集。12作品のうち良かったのは、結婚1周年パーティを前に脅迫状が届く「シンデレラを狙うのは誰?」、老人は墜落した飛行機に乗っていた女性を助けるが…「狼は理由なく襲わない」、悪人に捕まっている夫と救出しようとする妻のラブラブ大作戦「ラプンツェルの復讐」。下巻「白雪姫、殺したのはあなた」があるが、今のところ読む予定はない。2019/11/24
Ayah Book
8
童話をモチーフにしたアンソロジー。(解説にはグリム童話とあるが、「雪の女王」はグリムじゃない)童話をそのまんま現代風に直しただけ、のような話はいただけないが、ちょっと捻ってあるものは面白かった。しょっぱなからえげつない「お菓子の家に囚われて」、コミカルな「はだかの皇帝」、もうちょっと長くても良かった「さあ、斧を持ってきておくれ」、ありがちだけど面白い「めでたしめでたしの後で」などが良かった。一番好きだったのは「狼は理由なく襲わない」。映画を見ているようで、赤ずきん関係なくても良くできている。2018/05/30
mimm
3
グリム童話をベースにしたアンソロジー。ハッピーエンドが主な童話だから、どんな状況でもひとまず安心して読めた。舞台が変わっても、基調となる童話は分かってすごい。個人的にシンデレラのお姉さんの話「めでたしめでたしの後で」が気に入りです。・・・ああ、シンデレラって怖い。2011/04/18
山名笑子
0
国内ミステリに慣れてたからか、ちょっと取っつきにくい文体。古典といわれるようなものなら、翻訳物もそこまで苦ではないんだけれど。 グリム童話モチーフというわりにはアンデルセンが入っていたりと、いい加減な感じ。面白いのとそうでないのとの差が激しかった。2016/05/12
やぎとら
0
グリム童話からストーリーや設定を拝借、再構築した短編集。原型をとどめていないものもあるが、なじみの薄いものも含め、新しい作家を知る良い機会になった。 特に、血も凍るマフィアのボスが改心してタレント化する「はだかの皇帝」S.ブレット、語り口が独特の味わいで短編なのがもったいない「「雪の女王を探して」S.マクラム、毎夜靴を履きつぶす12人姉妹の謎を追うハードボイルドマフィアの「「十二人の踊るお姫様」ふたたび」A.ウィンゲイト。 こうやって読みたい作家が増えるのも読書の楽しみ。2013/09/06