内容説明
1930年代、中国南部の、とある郊外の農村。そこで一家をささえる主人公の凌旦、夫とともに家族へ深い愛をそそぐ妻の凌嫂、三人の息子、そしてその妻たち、子供たち…。誰もが幸福のなかにあった。そこへ突然猛り狂ったように攻め込んできた東シナ海の向こうの国、日本。見たこともないような戦闘機の爆撃、人々への凌辱と収奪、そして虐殺…。信じられないような事態の連続に、彼らはそこで何を考え、何を応え、いかにして生き延びようとしたのか。生きることの喜びと苦しみ、死への悲しみ、そして変わらぬ家族への愛。女流文学の巨匠パール・バックが広大な大地を舞台に高らかに描き上げた不朽の名作。